見出し16級検定試験に合格できない方へ

見出し3【7級までは英作文の試験ではない】

実を言うと、7級までは基礎文型が使えるかどうかを問う試験で、英作文の試験ではありません。しかし、6級は英作文ができる能力があるかどうかを問う試験です。ですから、7級までは、直訳的に訳し、単語のユーセージが間違っていなければ正解になりますが、6級は英作文をする基本的な能力がなければ、合格できません。

見出し3【6級は英作文ができる能力があるかどうかを問う試験】

6級の構文と単語のレベルは、7級と同じですが、「どうすればアメリカ人が違和感を持たないような英文を書くことができるか」を問う試験です。この試験に合格できない方は、英作文ができるようにはなりません。

見出し3【どうすればアメリカ人が違和感を持たないような英文を書くことができるのか】

日本人が間違いのない英文を書くには、中学で習う単語を使い、中学で習う構文を使って書くことが基本になります。科学論文やビジネスの分野においても、専門用語の多くは英語なので、辞書でユーセージを間違わないようにチェックして付け加えるだけで、アメリカ人が読んでも、専門科が書いた高度な英文として認められます。

見出し3【日本文と同じ意味の英文は作ることは原理的に不可能】

仕事などで英文を書かなければならない人は、「日本語の文と同じ意味の英文は作ることは原理的に不可能である」ことを知らなければなりません。中学で学ぶ基礎的な英単語でも、その単語に対応すると思われる日本語の単語と意味やユーセージが全く同じものはありません。例えば、"tree"は「木」という意味だと習う方が多いと思いますが、「この家は木でできています」を"This house is made of tree"と訳すことはできません。"tree"は「木材」を意味しないからです。

見出し3【英作文の原理】

「この家は木でできています」という文を理解できる方は、木造の家をイメージする方が多いと思います。言語表現は、この例から分かるようにイメージと結びついているのです。正しい英作文をするには、問題の日本語にこだわらず、日本語の文のイメージを表現するための英文を作らなければなりません。何故かというと、直訳では、日本語の文を構成する単語に対応する英単語を使って、文章を組立てようとするために、アメリカ人が作らないような英文を作ってしまうという問題が生じるからです。

見出し3【6級はイメージしてから英文を作らないと合格できない】

6級の問題には、直訳的にできるものもありますが、問題の日本語文がどのような状況で使われるかイメージしないと、正解できないものが含まれています。分かりやすい例としては、"Yes"を「いいえ」と訳さなければならないようなものがあります。

6級に合格するには、日本語の問題の上に表示される、直前に話された英文と日本語の問題文から状況をイメージし、その状況にマッチした英文を構成しなければなりません。

見出し3【英作文が難しい理由】

英作文が難しいのは、中学や高校で英語を学ぶとき、英単語をイメージではなく、近い意味の日本語で覚えるためです。その結果、問題文の日本語にこだわって、直訳による瞬間英作文的な英文を作ってしまいます。

特に、瞬間英作文で英語が話せるようになった方は、間違った英語表現が身についてしまうので、間違った英語を躊躇することなく書くようになります。

見出し3【英単語をイメージで覚えるには】

最も簡単な方法は、英作文で使う単語を決め、英和辞典に書かれている全ての定義と用例から、単語のイメージをつかむ方法です。実際、6級に合格した人の中には、英和辞典を丸暗記した人がいることを確認しています。使う単語数は、暗記力や応用力を考えて決めるしかないでしょう。アメリカ英語で書かれた英文の単語の50%は、中学で習う単語の中の基礎的な100語です。応用力があれば、500語で十分です。

もう一つの方法としては、1000語レベルくらいの英文で書かれた本を数冊繰り返して読む学習法があります。数年前に学習したことでも、記憶心理学によれば、必ず脳のどこかに痕跡として残っているので、英作文のとき、正しい英文を作ることが多くなります。英作文.netの出題形式では、昔学習して忘れてしまった英文でも、効果があり、この方法で6級に合格した人がいることも確認しています。

見出し3【イメージしてから英文を作ることの最大の問題】

弊社の研究によると、普通の人間は連続して物事を考えることができません。その良い例として、3桁の足し算で、桁上がりが2回以上ある足し算が試験に出ると、うっかり桁上がりを忘れて間違えてしまう方が多いことが確認されています。

この例外に入る人は、幼児期に大病を患い、体を動かすことが困難になり、箸の上げ下ろしから歩行まで、一つ一つ考えないと日常生活が困難だった方や、ソロバンを習った方、公文式を習った方、創造力が無く、教えられたことしかできないため、幼児期から小学生低学年までは、日常生活に問題を持っていた方です。人は、問題が起こると脳を使うため、頻繁に問題を起こす人は、頻繁に脳を使う能力が身につくためと考えられます。また、囲碁が5段のレベルなら、問題なく、桁上がりのある3桁の足し算ができることも確認しています。

6級の最大の問題は、短時間に脳を繰り返し使わなければならないところにあります。最初に、表示される英文の意味を考えるところで1回、問題の意味を考えるところで1回、問題文の話される状況をイメージするところで1回、状況に合わした英文を考えるところで1回のように、3桁の足し算よりも遥かに難しい脳の使い方をしなければなりません。

見出し3【脳の使い方は、訓練できる!】

しかし、この脳の使い方は、上記の例外から分かるように、先天的なものではなく、訓練すればできるタイプのものです。しかし、2〜3ヶ月の訓練では、あまり上達しないことが分かっています。ですから、どうしても英作文ができるようになりたい方は、具体的な数値目標を立て、1年以上かけて練習する必要があります。

6級の試験では、イメージを考えながら問題を解こうとすると、時間が足りないという方が多いと思います。6級の問題は、「英語で学ぶ英会話」から出ているので、この学習コースを使い、時間をかけて練習するのも一つの方法だと思います。

見出し3【カンマの用法について】

カンマの用法は、文法と英文のスタイルという二つの領域に関係しているため、ネイティブ・スピーカーにも混乱が見られます。

文法としてのカンマの用法は、文章の構造から説明され、スタイルとしての用法は意味論的に説明されなければなりません。しかし、ネイティブ・スピーカーが文章の構造を解析しようとする場合、意味を考えるという作業が避けられないため、結果として意味論的な観点からカンマの置き場所を考えてしまう傾向が見られます。

この問題を英国の名門大学を卒業して英文法に自信があるイギリス人や英文科を卒業したアメリカ人に説明して、「英語で学ぶ英会話」の誤答をチェックするという作業をしてもらったところ、説明したにもかかわらず、カンマの位置を意味論的な観点から考えてしまう顕著な傾向があることが明確になりました。主語、動詞、目的語などが分かるにもかかわらず、カンマの用法になると、突然、文法的に考えることができなくなってしまうのです。

もう一つの問題は、文法学者の中に、有名な作家が書いた文章を引き合いに出して、説明する方がいることです。作家は、自分の言いたいことをどうしたら間違いなく表現できるかという意味論的な観点からカンマの用法を工夫してスタイルを確立するため、文法的には的外れな議論を引き起こす原因になると推測されます。

日本人が英語を書くという観点から参考にできる、アメリカ英語のカンマを説明したサイトに、「Rules for Comma Usage」があります。このサイトはティム・ヤング氏にチェックしてもらっているので、安心して参考にできます。