「おっしゃる通りです。アメリカでは医療用のマスクを中国で作っているのですが、中国系アメリカ人がマスクを買いあさって本国に送ってしまうので、医療用のマスクが足りなくて、医者が困っているようです。」

「なるほど。アフリカ経由でアメリカに新型コロナウイルスが広がったら、大変なことになりますね」と町会長。

「僕もそう思ったので、英語で新型コロナウイルスの情報を調べてみました。」

「なるほど。英語で調べれば、新型コロナウイルスに対して、アメリカ人が書いた最新の情報が見つかるかもしれませんね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ラッキーなことに、新型コロナウイルスについて詳述している“MIT Technology Review”というのが、すぐ見つかりました。」

「MITと言いますと、マサチューセッツ工科大学のことですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕の英会話スクールで教えていたヘインズ先生の息子さんがマサチューセッツ工科大学に入っています。世界でもトップレベルの大学なので、思いっきり自慢だったようです。」

「確かに、マサチューセッツ工科大学の名前を知らない人はいませんよね」と町会長。

「驚いたことに、アメリカでは、中国から送られてきた新型コロナウイルスの遺伝子コードから感染性のある生きているSARS-CoV-2を作る競争を研究者がしているそうです。」

「SARS-CoV-2と言いますと?」と町会長。

「2002年から2003年までの1年間で、8098人の感染者が出て、そのうち9.6パーセントの感染者が死亡した重症急性呼吸器症候群を引き起こすコロナウイルスがSARS-CoVなのですが、現在流行中の新型コロナウイルスもSARSコロナウイルスなので、区別するためにSARS-CoVー2という名前にしたようです。」

「SARSはコロナウイルスなのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「今回、感染が広がっている新型コロナウイルスはSARSなのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「重症急性呼吸器症候群を起こしたSARSと全く同じなのですか」と町会長。

「遺伝子塩基配列の79.5パーセントが同じだと言われています。」

2020/2/27

<イノシシ後記7>
昨年の暮れに7本の孟宗竹を越えられてしまったので、その日のうちに10本にした。イノシシも10本の孟宗竹は越えようとしなかった。

年が明けた正月のある日の夜、卓球場の裏に回ると、近くに何かがうようよいる気配がした。懐中電灯を向けると、2、3メートルのところに雌のイノシシが2匹、5、6メートルのところに山に向かって逃げようとしているイノシシが1匹見えた。

2021年の9月の夜に、門のところから顔を出し、優美なジャンプを見せた2匹の雌のイノシシとは全く別のイノシシがいた。1年半ほどの間にブクブクと太ってしまっているので、優美なジャンプを見せることは2度とないのだろう。

いつもなら、僕に向かって吠えて威嚇するのだが、今回は全く吠えなかった。僕とやり合うことを避けているのかも知れない。イノシシが吠えないので、その後イノシシが来たか、どうかは分からない。地面にも、はっきりした堀跡は残っていない。

2023/2/2