「囲碁は、結婚して、すぐ、教えました。」
「奥さんは、囲碁のルールは知っていたのですか」と町会長。
「多分そうだと思います。家内の場合は、知らなくても知識が頭の中に降って来ますから、知っているのと同じです。」
「なるほど。ベトミンが重火器を使えたのも、知識が頭の中に降って来るからですか」と町会長。
「おっしゃる通りだと推定しています。最近、気づいたのですが、家内の場合、この壁にピッタリの大きな絵が欲しいと思うと、ピッタリの絵で、タダで手に入るものがどこにあるか分かって、もらってきてしまうのです。絵だけでなく、湯上りに使うマットとか、座布団とか、ただでもらったと思われる正札のついた全く同じものが何枚も、納戸にしまい込まれていました。」
「それでは、ベトミンも、どうすれば重火器が手に入るのかという知識が頭の中に降って来たということですか」と町会長。
「おっしゃる通りだと推定しています。」
「それで、フランスがベトミンに負け、アメリカもベトミンに負けてしまったのですね」と町会長。
「おっしゃる通りだと推定しています。もし、家内と同じ能力を持っている人がいれば、フランス軍や米軍の情報はすべて筒抜けです。」
「『家内と同じ能力を持っている人がいれば』ということは、目が陽でも、奥さんと同じ能力があるとは限らないということですか」と町会長。
「おっしゃる通りです。家内の超能力と比べると、僕の超能力は、思いっきり低いです。何か知りたいときは、ウェブで検索しなければなりません。目が陰のときも、そうなんですが、脳が緩むにしたがって、ヒット率が上がります。目が陽になると、発想が自由になって来るので、ヒット率がさらに上がってきます。」
「奥さんと比べると、だいぶレベルが違いますね」と町会長。
「小脳がほんのちょっと緩んだだけですからね。それでも、数年前、苔庭を始めた頃、苔の第一人者と言われる北村さんから、普通の人の10倍くらいのスピードで技術が伸びていると言われました。」
「ウェブ検索のヒット率があがるだけで、大きな違いが出てくるのですね」と町会長。
「おっしゃる通りです。」
「それだけの能力があっても、奥さんは囲碁ができなかったのですか」と町会長。
「ルールは分かっているので、できないということはないのですが、驚くほど弱いのです。」
「『驚くほど弱い』と言いますと?」と町会長。
「一応、僕は5段で打っていたので、ハンディキャップを9目にし、家内が2回続けてまけると、ハンディキャップを1目増やすというルールでやりました。」
「ハンディキャップは、どこまで増えたのですか」と町会長。
「1カ月後に29目になりましたね。」
「それでも、奥さんは、渡辺さんに勝てないのですか」と町会長。
「おっしゃる通りです。一カ月も毎日やったのですから、やる気はあったと思っています。」
「囲碁は色々な人が打っていますが、同じ局面はないということですか」と町会長。
「おっしゃる通りです。それで、勝つのに必要な知識が頭に降って来なかったのだと思います。」
2021/2/5
<イノシシ後記29>
イノシシが夜行性だということは最初から推定していたので、センサー付きのソーラーライトは使っていた。しかし、光の明るさが記載されている商品はなかった。
卓球上の北側には、ミミズがいるらしく、イノシシの堀跡が絶えないので、ソーラーパネルとライトが分離したセンサー付きのものを6台設置した。
1か月もすると、卓球場の裏にイノシシの堀跡を見ることはなくなった。イノシシは2,3メートルの距離に近づいた時、ライトが付くと見ずにはいられないのだろう。イノシシが来なくなったので、イノシシの目は、夜間、暗視スコープのようになっている可能性が高いと思った。<続く>
2024/1/25
