「父のイノシシがうり坊が掘ったような短かな線を残して、2度と現れなくなってから2,3カ月たった頃、不思議なことが起ったのです。」

「と言いますと?」と町会長。

「中庭の苔にうり坊がミミズを食べたような小さな堀跡が見られるようになったのです。」

「1番下のうり坊が生きていたということはないのですか」と町会長。

「1番下のうり坊は、必ず、忌避剤入りの茶のみ茶わんを蹴散らすので、1番下のうり坊が来たことを確認するため、忌避剤入りの茶のみ茶わんを置いてあるのですが、湯飲み茶碗は蹴散らされていなかったのです。」

「それでは、父イノシシと一緒に東側を襲撃していた2匹のうり坊がミミズを食べに来たということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「今回は、どこから侵入したのですか」と町会長。

「2週間くらいの間になんども侵入されたのですが、今回はどこから侵入して来たのか見当が付きませんでした。」

「そういうこともあるのですね」と町会長。

「そうなんですよ。それで、もしかしたら、孟宗竹がひび割れして来たので、陰のパワーが落ちて、うり坊が越えられるようになったのではないかと思いました。」

「それで、どうしたのですか」と町会長。

「黒に被覆した針金が手元にあったので、侵入カ所を特定するために、西側の孟宗竹の庭側に、30センチくらいの高さに張ってみました。」

「黒に被覆した針金では、夜間は見えないのではありませんか」と町会長。

「イノシシは夜行性なので、見えるとは思いましたが、見るときに注意を払うことになると思いました。」

「なぜ、そんなことをしたのですか」と町会長。

「イノシシは黒に被覆した針金が気になるが、孟宗竹の向こう側にあるので、安全かどうかを確認するのが難しいだろうと思ったのです。」

「庭側にあるので、孟宗竹に触れないで確認することはできないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。今までの研究で、気になるものの数が増えるとイノシシの不安感が増して脳の限界に達することが分かっているので、抑止力が上がると確信していました。」

「効果はあったのですか」と町会長。」

「おっしゃる通りです。」

「それでは、年上の2匹のうり坊は西側から孟宗竹を飛び越えて侵入していたが、黒に被覆した針金が気になるので飛び越すことができなくなったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2021/12/9

<水道後記81>
2年ほど前に水道屋さんが修理した所は小さなスコップを使って、水道管を傷めないように慎重に掘った。修理箇所の目印に大きな石を置いておいたので、石をどかせば土に湿り気があるので掘るのは楽だった。

しかし、そこから北東に向かって掘るのは容易でないことが分かっていた。土は粘土質で小石が入り混じっている。その上を車が通るので表面はレンガのように硬い。夏に、シャベルで掘ってみたが歯が立たなかった。<続く>

2024/11/26
※この話は、昨日アップロードするはずだったのですが、免許証更新のための認知機能検査や高齢者講習に追われたため、アップロードを忘れてしまいました。それでも、認知機能検査はパスしました。ラッキーなことに4日ほど前から短期記憶がわずかに改善し始めたためかも知れません。記憶は海馬の機能低下で悪化するのですが、耳が固くなると海馬も連動して可動性が悪くなり、記憶力が低下します。それで、耳を緩めようと何年も頑張ってきたのですが、やっと効果が出始めました。ラッキー!