「僕も、『朝起きたとき、すぐ火を入れておけばよかった』と思ったのですが、後の祭りでした。」

「しかし、それでアミノ酸欠乏症だということが分かったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。味噌汁は、酸っぱくて、10時間以上たった味噌汁を温め直したものでした。しかも、その日はいつになく暖かかったのです。」

「そのみそ汁は絶対に腐っています。飲んではいけません」と町会長。

「息子はそう思ったようで、味噌汁を流しに捨てに行きました。」

「渡辺さんは、腐った味噌汁を飲んだのですか」と町会長。

「とりあえず一口飲んでみると、確かに、酸っぱいのですが肺の下部が緩むのです。」

「肺が緩むということは、そのみそ汁は陽ということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。みそ汁はあきらかに陽なので全部飲んでしまいました。」

「食あたりは起きなかったのですか」と町会長。

「胸部が緩んだだけで、なんの問題も起こりませんでした。」

「それでアミノ酸欠乏症だということが分かったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。実は、毎晩、冷ややっこを食べているのですが、味噌汁にも豆腐を入れています。そして、2,3日前に入れた豆腐が溶けかかっていたのを思い出しました。」

「溶けかかった豆腐が入っていたのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕は、通気口がついた容器に入っている生味噌を使っています。」

「『生味噌』と言いますと?」と町会長。

「味噌は、ゆでた大豆と麹と塩を混ぜて、フードプロセッサーなどで大豆が液状になるまでかき混ぜて、容器に入れて半年ぐらい寝かせておくとできます。」

「渡辺さんは味噌も作るのですか」と町会長。

「僕は作りませんが、子供のころ自家製の味噌を作っている農家が近くにあったので、作っているところを見たことがあります。」

「味噌は、ゆでた大豆と麹と塩をかき混ぜて、寝かせておくだけでできるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。一緒に混ぜた麹が大豆を発酵させて、アミノ酸に分解するのです。」

「麹が味噌づくりのポイントなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2021/7/8

<水道後記31>
キッチンの北側、北東の角から2メートルほどのところは、床下から伸びている水道管が見つかっても更に掘り続けた。というのは、北東に伸びる内径13ミリの水道管が見つかったからだ。水道管はキッチンの基礎から30センチぐらいのところで始まり、北東に向かって伸び、汚水処理施設と思われる東西に走る幅1.5メートルほどのコンクリート板の下に潜っていた。

この辺の事情が分かっていないのは、筆者が家のことについては全く関心がなく、もっぱら母が担当していたためだ。そのため庭には草が生え放題という状態で、茶室の東側には1メートルを越えるような草が生え、駐車場の横の苔庭があるところも同様の状態だった。母は、毎日、草むしりをしていたが、家の周りの草をむしるのに1年くらいかかるので、結果として、そういう状態なってしまっていた。<続く>

2024/6/21