「食品安全委員会の『セレウス菌食中毒』に、『一般食品で通常見られる程度の菌数(10~1000/g 程度)では発症しませんが、セレウス菌は耐熱性の芽胞を形成するため、加熱調理された食品でも室温で放置すれば、この菌の発芽増殖を招きます』と書いてあるのですが、先ほど言ったように、味噌汁に野菜と豆腐と卵を加えて煮立たせています。」

「しかし、セレウス菌は耐熱性の芽胞を形成するので、煮立たせても死滅しないのではありませんか」と町会長。

「おっしゃる通りです。国立感染研究所の『セレウス菌感染症とは』にも、『セレウス菌は100℃30分の加熱にも耐える芽胞の形で土壌などを中心に自然環境に広く分布し、野菜や穀物などの農産物を汚染している』と記載されているので、味噌汁を煮立たせても効果がないという意味なのか確かめるために、Google Scholarで関連する論文を検索してみました。」

「何か分かったのですか」と町会長。

「公益社団法人日本食品衛生学会の食品衛生学雑誌の『惣菜中のセレウス菌芽胞の制御における加熱処理の効果』という論文を見つけました。」

「セレウス菌を加熱したときの効果が書かれているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「『セレウス菌は100℃30分の加熱にも耐える芽胞の形で』というのは、実際には、どういうことだったのですか」と町会長。

「『惣菜中のセレウス菌芽胞の制御における加熱処理の効果』に、『100℃2分間加熱後に25℃4時間静置後に再加熱することによって生残する芽胞数が100分の1以下に減少した』という記載がありました、」

「加熱すれば、セレウス菌芽胞の数が少なくなるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。なくなりはしないが、少なくなるということですね。セレウス菌はどこにでもいて、1gあたりのセレウス菌数が1000個程度なら発症しないということなので、加熱処理は、食中毒を避けるうえで重要だということです。」

「なるほど。それでは、渡辺さんは何分くらい加熱しているのですか」と町会長。

「6段階温度調節IHヒーターの、上から2番目の温度で9分間加熱しています。途中でふたを開けると沸騰していますが、何分間沸騰しているか確認したことはありません。7分間の加熱でも沸騰していることを確認しているので、少なくとも2分間は沸騰しているはずです。」

「なるほど。その方法だと、セレウス菌芽胞の数を減らす効果はあるということですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「ところで、『惣菜中のセレウス菌芽胞の制御における加熱処理の効果』では、セレウス菌を、なぜ、2回加熱しているのでしょうか」と町会長。

2021/9/10

<猫後記1>
『ムクドリ56』に書いたように、昨年の5月になっても猫の侵入は続いていた。しかし、苔庭を荒らそうとする猫はいなかった。

ところが、夏になると茶室の東側の外庭に面する苔庭をちょこっと荒らす猫が現れた。2週間に1回ぐらいに割合だったので、最初は荒らされるたびに修復していた。しばらくすると荒らしに来る回数が増えてきたので、アマゾンで害獣撃退器を購入して設置した。

この頃からアマゾンで売られている超音波害獣撃退器は使い物にならないものが多くなっていたが、筆者が購入したものはバッテリーが充電されていないだけで、苔庭に設置して1週間もすると太陽光で充電され、猫も来なくなった。<続く>

2024/8/27