「植物性乳酸菌は、それほど強い乳酸菌なのに味噌汁の中で繁殖させるのが難しいということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。植物性乳酸菌は動物性乳酸菌より強いのですが、味噌に入っているコウジカビには繁殖力が及びません。」

「乳酸菌が繁殖する前にコウジカビが繁殖してしまうのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。実は、コウジカビが繁殖して豆腐を分解し、アミノ酸ができると、乳酸菌が繁殖するようになります。」

「コウジカビに栄養を先に取られてしまうため乳酸菌は繁殖できないということではなかったのですか」と町会長。

「『植物性乳酸菌世界とその秘める可能性』に、『乳酸菌が生育する場所には、糖質、アミノ酸、ビタミン類、ミネラル、さらに脂肪酸がそろっていなければならない』と記載されています。」

「乳酸菌が生育するのにはアミノ酸が必要なのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「もしかして、乳酸菌が生育するのに必要なアミノ酸をコウジカビが豆腐を分解して作るということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。それだけではなく、糖質やビタミンも作るようです。」

「それでは、なぜ、酸っぱい味噌汁ができる時とできない時があるのですか」と町会長。

「味噌が難しいのです。」

「一般家庭で使われている味噌が難しいのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。先ほど話したように、陰陽と体に効くか効かないかで判断できる範囲であれば簡単なのですが、科学的な視点から考えると、味噌の扱い方が難しいのです。」

「なぜ、酸っぱい味噌汁ができる時とできない時があるのかということを説明しようとすると、科学的な事実に基づいて説明するしかありませんね」と町会長。

「おっしゃる通りです。信州味噌研究所の伊藤公雄の『味噌の衛生細菌とその挙動』に、『日本で少なくとも1300年以上の歴史を有する味噌は極めて素朴な道具と設備で開放条件下で醸造され、保管されてきたので、常に微生物汚染の危険に曝されてきた』と書かれていますが、科学的な視点から考えようとすると、『微生物汚染』が問題になるのです。」

「渡辺さんが使っているのが生味噌だからですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。加熱して、完全に殺菌してあるのであれば、『微生物汚染』はないかも知れませんが、加熱して殺菌したらコウジカビは死んでしまいます。」

「植物性乳酸菌も死んでしまいますよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2021/8/31

<それじゃあどうする36>
翌々日になっても症状は変わらなかった。夜中に水道の元栓を止めに外に出た。歩けるには歩けるがスムースには歩けない。中門を通り過ぎたあたりで、『全力疾走したらどうなるのだろう』という疑問が頭をかすめた。

迷わず、中門を越えたところから表門に向かって全力疾走をした。『バタバタ』という音が大音響で響き渡ったが1メートルほど進んだだけだった。そして、驚いた隣家のワンちゃんがけたたましく吠え立てた。<続く>

※水道の水漏れでお困りの方に一言。水漏れを、水道を使用しない時に元栓を止めることでしのごうとするのは難しい。なぜかというと、毎日元栓を締めたり開けたりすると、早い場合2,3ヶ月で、選びに選んで変えたばかりの元栓でも2,3年で壊れるようになっている。元栓を締めた時にきっちり水が止まらなくなるのだが、そこで力を入れて閉めると決定的な問題が生じるように設計されているようだ。この問題は水漏れ箇所が複数あって、場所が特定できない場合、大きな問題となる。水漏れ箇所は屋外だけとは限らないので簡単には解決する方法はないからだ。

2024/8/14