「脳が最も発達している人間が陰陽が分からないのに、あんな小さな頭の猫が陰陽が分かるというのは、確かに、変です」と町会長。

「もしかしたら納得できないかもしれませんが、僕の頭の中で、時折、自分の考えとは整合性のないことがささやかれるのです。」

「自分の考え方とは違うようなことを考えてしまうということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「僕の頭に、そんな変なことは起こりませんね」と町会長。

「例えば、禁酒しているのに、『今日は暑いからビールでも飲むか』と思ってしまうということはありませんか。」

「そういうことならありますよ」と町会長。

「そういうことがあっても、普通の人は、自分の考えであることに疑問を持たないのですが、僕の場合には、自分の考えではないことが明確なのです。」

「なるほど。自分の心以外の何かがささやいているように感じられるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。翌日になると、『昨日のビールはおいしかったね』とささやかれて、また飲むことになったりしませんか。」

「しかし、人間ってそういうものではないのですか」と町会長。

「まあ、そうなんですが、その結果、知らない間に肝機能が低下し、死に、一歩一歩、近づいていくのです。」

「もしかして、それが、渡辺さんが先ほど言われた『潜在意識優位仮説』なのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。そのささやきの主を『潜在意識』と呼んでいるのですが、『潜在意識』は陰陽も分かるし、経絡も分かると推定しています。」

「『潜在意識』は、経絡も分かるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。経絡が分からないと、意識を、一歩一歩、死に近づけさせるように誘導することはできません。」

「なるほど。潜在意識は、意識より頭がいいのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「先ほど、『潜在意識がささやくことで、意識を操る』とか『意識が支配できる脳の領域は狭く進化している』とか言われた時には、実感がありませんでしたが、今回のように具体例で説明されると、もしかしたら、そういうことがあるのかもと思ってしまいます」と町会長。

「意識が使える脳の領域は小さくて、潜在意識が使える脳の領域は大きいと考えると、潜在意識が意識より頭がいいことや頭の小さい猫が陰陽が分かることの説明がつきます。」

「なるほど」と町会長。

「潜在意識は、何歳くらいで死ぬという予定があるようで、パワーグッズを購入して、長生きしそうになったりすると、それを帳消しにするようなことささやいて、意識にさせるのです。」

「潜在意識はささやくことしかできないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。死に、一歩一歩、近づく行動がとれるのは意識だけです。」

「なるほど」と町会長。

2021/8/2

<それじゃあどうする15>
左上の奥歯の根本の穴に押し込んだ場合、再加熱することは不可能なので、問題が起こった場合どうにもならなくなる可能性がある。しかし、他に代わりになるようなものが見つからないので、リスクは承知で断行することにした。超能力があった時の院長でさえ治療法が分からなかったのだ。素人がリスク無しで治療することはできないと思った。

左上の奥歯の根本の穴から食べ物が侵入するのは明らかなので、奥歯の内側を洗浄しなければならないと思った。歯医者さんにはノズルの先から水が吹き出す歯の洗浄機がある。おそらく、色んなタイプのノズルが用意されていて、吹き出る水の流速もコントロールできるに違いない。何か代わりになりそうなものは売っていないのだろうかと思った。<続く>

2024/7/16