「『熱塩循環』と言いますと?」と町会長。

「ウィキペディアには『熱塩循環(ねつえんじゅんかん、英:thermohaline circulation)は、おもに中深層(数百メートル以深)で起こる地球規模の海洋循環を指す言葉である(水深千数百メートル以下での海洋循環を指すという説もある。語源のthermoは熱、halineは塩分の意味で海水の密度はこの熱と塩分により決定される。メキシコ湾流のような表層海流が、赤道大西洋から極域に向かうにつれて冷却し、ついには高緯度で沈み込む。この高密度の海水は深海底に沈み、1200年後に北東太平洋に達して再び表層に戻る』と説明されています。」

「『熱塩循環』というのは、英語の直訳なのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。海水の密度は、水温と塩分の濃度で決まるようですね。」

「海水は、温度が低くて、塩分を多く含むと、密度が上がって重くなるので沈むのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアには『海底に沈みこむ密度の高い水塊は、北大西洋と南極海という限られた海域で形成される。この海域で海水は風により冷却され、また海氷形成時に氷から排出される塩分で塩分濃度を増加させる。塩分の増加が海水の凍結温度を下げ、蜂の巣状の海氷の中でさらに冷却された塩水が形成されることで非常に重くなり、氷からゆっくり零れ落ちて海底に沈みこむ。これらの深層水塊は重いので、より軽い海水を押しのけて下るように沈み込んで極域の海盆を満たす。ちょうど陸上の渓谷や河川のように、低層水塊は海底の地形に沿って移動する』という説明があります。」

「海氷ができるとき、塩分が排出されるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「氷から排出される塩分で北極海の海水は、塩分の濃度が高くなり、冷却されて、重くなるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「『海盆』と言いますと?」と町会長。

「海底のへこんだところを『海盆』と言うようです。」

「なるほど。重くなった海水は、海底の低いところから、さらに低いところへと、川のように流れていき、重くて冷たい海流となって海底を流れ、1200年後に北東太平洋に達して再び表層に現れるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「『メキシコ湾流』と言いますと?」と町会長。

「ウィキペディアには『メキシコ湾流』という項目もあって、『メキシコ湾流は主に赤道の北側を西向きに流れる北赤道海流に起源を持ち、カリブ海およびメキシコ湾に入り、フロリダ海峡を通って再び大西洋に流出する。その後、北アメリカ大陸東岸をフロリダ半島沿いに北東方向に進み・・・北極海に注ぐ海底の大河で、その速さはミシシッピ川やアマゾン川をしのぎ、その水量はこれらの川の1000倍以上にも及ぶ』という説明があります。」

「なるほど。メキシコ湾流は、赤道付近の30℃ぐらいある表層水を、北アメリカ大陸東岸を流れて、北極海に向かって運んでいくのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「そして、極域に向かうにつれて冷却され、ついには高緯度で沈み込むのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。グリーンランドの東側あたりで沈み込むようですよ。」

「なるほど。そして沈み込んだ海水は深海を流れ、1200年後に北東太平洋に達して再び表層に戻るのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「熱塩循環というからには、表層に戻った海流は、北赤道海流になり、再びメキシコ湾流になるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、大西洋側は、赤道付近の30℃ぐらいある表層水を北極に向けて運ぶ湾流があるが、太平洋側には、赤道付近の表層水を北極に向けて運ぶ海流がないということなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それで、先ほど言われたように、大西洋側ではなく、太平洋側の方の海氷が大きく融けているのは、どうしてなのだということになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2020/7/31

<筆者の一言>
最近、肝機能が明確に上がるようになり、内臓の機能もわずかながら上がるようになった。その結果、脳もわずかに良くなっている。『わずかに』と言うより『かすかに』と言った方が正確かもしれない。なぜなら、視力が上がっているとは言えない状態だからだ。

目は脳の一部だ。脳が良くなれば、当然、視力も上がらなければならない。しかし、中学生の時近視になって以来、近視が進むに従って僕の脳は機能低下し続けてたことになる。しかし、両親とは違い、緑内障にも白内障にもなっていない。詰碁をする時画面が乱れて見える現象が改善しているので、もしかしたら視力もかすかに改善しているのかもしれない。

短期記憶は、確かに、改善している。最悪時は、毎日飲んでいるサプリが飲んだか飲まないか分からない状態だった。毎日飲んでいるので、飲んだ記憶は明確にあるのだが、その記憶が昨日の記憶なのか、それとも、今日の記憶なのか、はっきりしないのだ。ところが、肝機能が上がって耳が緩むと今日飲んだことを思い出すことができるようになった。思い出せない時は、耳の気が止まっている。

耳の可動性は海馬の可動性と連動しているので、耳の気が止まって海馬の可動性が低下すると、海馬の機能低下で短期記憶に問題が生じるということになる。

僕が子供の頃から雨が止むと傘を忘れてきてしまうのは、耳が2歳の時の肺炎のために固まってしまっていたためだ。脳が緩んでも、耳は簡単には緩まない。耳が緩むためには、肺虚が改善して耳の皮膚が緩み、腎虚が改善して耳の周辺の骨が緩み、肝虚が改善して耳の筋肉が緩まなければならない。どうしても、耳は他の臓器よりも緩むのが遅れてしまう。それで、耳と連動する海馬の機能が低下してしまう。

経絡が臓器に与える影響は相対的なので、耳が緩まないために、耳の機能や海馬の機能が相対的に低下してしまうのだ。観点を変えれば、すべての経絡が固まってしまっていれば、短期記憶に関しては傘を置き忘れるくらいの問題しか起こらない。

不思議なことに、脳がかすかに緩んだだけでも、日常生活が変わってくる。脳の機能が低下すると、新しいことに対応できなくなるため、日常生活は同じことの繰り返しになってしまう。それ以外のことは、心理的な抵抗感が強くてできないのだ。ゲームを常習的にしている人は、脳の機能低下で、日常生活は同じことの繰り返しになってしまっているはずだ。若くても、ゲーマーは高齢者と脳が同じ状態になってしまっている。長生きもできない。

ところが、脳がかすかに緩んだだけで、日常生活が変わってくる。今まで『やらなければ』と思いながら、心理的な抵抗があってできなかったことが、次から次へとできるようになる。

解けなかった詰碁の問題も知らないうちに解けるようになっていたりする。僕は、『温暖化が進んだ結果、なぜ氷河期になるのか』という問題が3年前は解けなかった。しかし、この問題も、突然、解けた。『熱塩循環』について書いた第二百七十九話を読み直しているうちに、温暖化が進んだ結果、なぜ氷河期になるのかという問題が解けたのだ。<続く>

<ムクドリ67>
ウィキペディアの『イエスズメ』に雄と雌の写真が掲載されていた。どちらも、我が家の庭に来る『イエスズメ』とは、わずかな違いがあった。そこで、『イエスズメ』で画像の検索をしてみた。例えば、『イエスズメ インド』のように地域を限定して、検索してみた。最初に似ていると思ったのは、スペインのイエスズメだったが、その後ヒットした『2016年8月9日 Kanton Zurich Switzerland(チューリッヒ州 スイス)で撮影』と記されたものが1番似ていた。

スイスの平均標高は1307mで、気温も低い。先程の『スズメ』という本に『イエスズメそのものはロシアのサハリン州北部まで分布しているので、それが迷って、やってくるのです』と書かれていたので、『気温が低いスイスと気温が低いロシアのイエスズメは似ているのか』と思った。<続く>

2023/7/14