「泥浴びをするときに、イノシシは20センチ前後掘るのですか」と町会長。

「ご覧になれば分かると思いますが、深くて30センチくらいです。イノシシが入れそうもないような小さな穴をいくつも掘っています。」

「なるほど。ダニを取るための泥浴びが目的であれば、こういう掘り方をするのは理屈に合いませんね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウェブで調べてみると、日本にいるミミズの約95%はフトミミズと呼ばれる種類のミミズで、落ち葉の下などにいる表層種と、地中30センチ以内に住み植物の根などが腐った腐植土を食べる浅層種と、地中30センチ以上のところに住む深層種の3種類がいるようです。」

「なるほど。それでは、泥浴びは地表から30センチ以内に住む浅層種を食べるためにするとお考えなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。浅層種の多くは2センチから10センチくらいの深さにいると言われていますから、イノシシが10センチくらいの深さの穴を掘ることとも一致します。そして、暖かい時期に食べると推定される表層種は、越冬ができません。」

「なるほど。それで浅層種は取っていおて、冬に食べようとするのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。取っておいても、他のイノシシに食べられたら冬場に食べるミミズがなくなってしまいますから、泥浴びするところを守るのがイノシシの重要な仕事になるのだと思います。」

「浅層種は雨水が溜まるようなところにしかいないのですか」と町会長。

「土があれば、どこにでもいるようですが、ミミズがたくさんいるところを確保しないと、冬場に必要な量を食べるのが難しいのだと推定しています。」

「手間ひまかけて2、3匹しか食べられないのでは、返ってお腹がすくだけということなのでしょうね」と町会長。

「そう言うことだと思います。庭を荒す場合、茶ノ木の裏で10センチぐらい、ハイゴケだと5センチぐらいの深さです。」

「なるほど。それだと何匹も食べられないということですか」と町会長。

「イノシシに聞かないと本当のところは分からないのですが、そうとしか考えられないのです。ひっくり返された湯飲み茶わんを元に戻し、超音波害獣撃退器を1台泥浴びするところに設置したのですが、泥浴びするところを2メートルほどよけて、忌避剤入りの湯飲み茶わんのところを通れば、茶ノ木の裏に行くのは簡単なはずです。」

「でも茶ノ木の裏には来なかったのですよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。泥浴びしたところのミミズが食べられないのであれば、何匹も食べられない茶ノ木の裏に行く価値はないとイノシシが考えたとしか思えないのです。」

「先ほど、『ミミズを食べないと体力が落ちるのであれば、相手のテリトリーのミミズを食べるということが確かな攻撃になる』と言われましたが、守るべき泥浴び場でミミズが食べられないのであれば、茶ノ木の裏のミミズを食べるという攻撃をする必要はないと猪が考えたということですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2019/12/14

<筆者の独り言>
ロシアがウクライナの4州を強引に併合したのはプーチン政権の延命策だということに昨日気がついた。ロシア国民はソ連時代のように領土が拡張するのを願望している。戦況が悪かろうと徴兵が行われようと、領土が拡張すればそれなりの満足感があるのだ。プーチン大統領の強引な4州併合は、そこをついたのだ。プーチン大統領の政治家としての才能は否定できない。

ゼレンスキー大統領はプロの戦略家だ。プーチン大統領の狙いは分かっているに違いない。しかし、ゼレンスキー大統領がどういう手を打とうとしているのか予測ができない。ウクライナ戦争の最初から、長期戦に持ち込んでロシア経済を崩壊させようとしているからだ。

Tシャツ姿は世界中の人々に強い印象を与えている。一国の大統領がTシャツ姿でインタビューに応じるのは前代未聞だ。ゼレンスキー大統領のTシャツ姿は、戦争で困窮するウクライナ国民と同じように生活を律して、ロシアと戦い続けようとしていることを暗に示している。そこにロシアを経済的に崩壊させようという強い意志が感じられる。

ロシアの狙撃兵に狙われているにもかかわらず、防弾チョッキを着て最前線に何度も行っている。兵士が命を賭けて戦っているのであれば、自分も命を賭けて兵士に礼を尽くすべきだと考えているのだ。そこまでする大統領はいない。ゼレンスキー大統領は、なぜ、そこまでするのか。経歴を調べても答えは見つからない。唯一答えがあるとすれば、ロシアの傀儡政権下で形成されたウクライナのさまざまな腐敗とその元凶であるロシアが許せないからなのだろう。

2022/10/17