「コロナウイルスは、電子顕微鏡で見ると、球状のタンパク質の殻の中に一本のRNA遺伝子が入っているという構造をしているようですが、そのRNA遺伝子の中にある、RNAポリメラーゼを作るための情報が入っている領域という意味だと思います。」

「なるほど。『ウイルスRNAポリメラーゼ領域』の意味は、分かったような気がします」と町会長。

「それでは、ウィキペディアの『MERSコロナウイルス』の『発見当初の遺伝子解析では、コウモリコロナウイルスHKU4およびHKU5と相同性が高く、ウイルスRNAポリメラーゼ領域におけるアミノ酸配列の相同性は90~92%だった。一方、スパイク(S)蛋白質の相同性は64~67%にとどまり、コウモリからヒトが感染しているという直接の証拠もなかった。その後、宿主がヒトコブラクダであることが判明した』と説明も理解できたということですか。」

「おっしゃる通りです。気がしているだけかも知れませんが」と町会長。

「この説明で気になるのは、いつからヒトコブラクダが宿主になっているかということです。」

「そう言えば、宿主の定義からすれば、例えば、数年前から宿主になっていたとしても、宿主のラクダに害がない限り、自然宿主と呼ばれるということでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。国立感染症研究所の『MERSコロナウイルスの宿主としてのラクダについて』に、『サウジアラビアではMERS-CoVがヒトコブラクダ間で蔓延している事実が報告されているが、すべてのヒトコブラクダに蔓延しているというわけではない。Reuskenらの調査によると、アラビア半島や紅海を挟んだ対岸のアフリカ諸国、ナイジェリア等の中央アフリカでは非常に高い抗体保有率を示す一方、チュニジアでは30~54%、カナリア諸島では13~14%であることがわかった。さらにMullerらの調査により、スーダンやソマリアなどの東アフリカでは、1983年にまで遡ってヒトコブラクダにおいてMERS-CoV陽性であることが明らかとなった。したがって、ヒトコブラクダにおけるMERS-CoVは30年以上も前から中近東、中央、東アフリカ地域で流行しているということ、地域性があるということが明らかとなった』という記載があります。」

「『ヒトコブラクダにおけるMERS-CoVは30年以上も前から中近東、中央、東アフリカ地域で流行している』ということなのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。『MERSコロナウイルスの宿主としてのラクダについて』には、『国内に飼養されているヒトコブラクダについてMERS-CoV保有の事実は認められなかった』という記載もあります。」

「それでは、ヒトコブラクダは、MERSコロナウイルスの元々の自然宿主ではない可能性があるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「ウィキペディアの『MERSコロナウイルス』に、『ウイルスRNAポリメラーゼ領域におけるアミノ酸配列の相同性は90~92%だった』のに、『スパイク(S)蛋白質の相同性は64~67%』だったという記載がありましたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、コウモリコロナウイルスHKU4およびHKU5とMERSコロナウイルスのスパイク蛋白質の相同性が64~67%と低いことは、進化論的に考えると、MERSコロナウイルスの自然宿主がコウモリであり、ヒトコブラクダは中間宿主であることを否定するものではありません。」

2021/1/11
※『RNA遺伝子』は学術的な用語ではありません。

<パナソニック乾燥機NH-D502P後記40>
なぜ、『我が家の瓦の下の防水紙が接着剤でしっかり張り合わせられているとは思えない』かというと、集中豪雨でもないのに居間の内壁に大きなシミができるような大惨事が起きたからだ。

僕が子供の頃は、わらぶき屋根の家が多かった。わらぶき屋根はストロー状のわらを束ねて、積み重ねて作るのだが、ポリエチレンの防水シートなどは使っていない。なぜ、隙間だらけのわら束で作った屋根が雨漏りしないのだろうか。雨漏りしない理由は2つある。理由の1つは屋根に勾配があるからだ。もう1つの理由は、水の表面張力が大きいからだ。表面張力が強くても、水圧がまともにかかると、雨漏りはすると推定される。わら束で池を作ることはできない。雨漏りがしないのは、屋根に勾配があるためだ。勾配があるので、水がたまらないから、わら束に水圧がわずかにしかかからない。表面張力で対抗できるほどしかかからない。その結果、雨漏りしないのだ。

我が家の瓦の下の下地が完全防水になっていないのは、屋根に勾配があり、雨水の表面張力が強いため、下地を不完全に作っても問題が起こらないからだと推定している。屋根屋さんは、経験から下地を不完全に作っても問題が起こらないことを知っているのだ。<続く>

2023/12/25