「それでは、日本の円で外貨準備を持っていたり、中国の元で外貨準備を持っている国もあるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。公益法人国際通貨研究所の『国際通貨としてのユーロ』の外貨準備通貨別内訳(2019年6月現在)の円グラフによると、米国のドルが58%、次がユーロの19%、3位が円の5%です。」

「なるほど。中国の元はどのくらいですかと」と町会長。

「2%です。」

「それでは、中国が元を基軸通貨にしようとしても、不可能ですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。みずほリサーチ&テクノロジーズ・エグゼクティブエコノミストの門間一夫氏もロイターのコラムに、10年後までを考えても、人民元が米ドルの地位を脅かすような存在になる可能性は、ほぼゼロだろうと書いています」

「なぜ、『人民元が米ドルの地位を脅かすような存在になる可能性は、ほぼゼロ』なのですか」と町会長。

「『どんな強権国家であろうとも、自国通貨の幅広い国際取引を強要することはできない。一国の通貨が国際的に広く使われる通貨になるかどうかは、その国の意図や野心によってではなく、国際金融市場における選択によって決まる』からです。」

「人民元が基軸通貨として使われるかどうかは、国際金融市場における選択によって決まるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。門間氏は、その選択において重要な3つの条件を上げています。」

「重要な3つの条件と言いますと?」

「『第1に、その通貨の発行国が、世界経済において重要な存在であることである。第2に、国際通貨としての信頼性を備えていることである。具体的には、透明性の高い法治主義的な政府、整備された金融市場、自由な資本移動や為替変動などが求められる。第3に、ネットワーク外部性である。国内通貨であれ国際通貨であれ、ある通貨が使われる最も根源的な理由は、「既にそれが広く使われているから」なのである』と書いてありました。」

「中国は世界経済において重要な存在になっていますね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「中国の経済規模が世界第2位であるにもかかわらず、元が、外貨準備として、2%しか使われていないのは、国際通貨としての信頼性に問題があるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。『2015年に為替変動の柔軟化に踏み切ったところ、人民元の下落と資本の流出が止まらなくなったため、クロスボーダーの資本取引を大幅に規制せざるをえなくなり、現在も、資本取引に厳しい制約が課されている』と門間氏は言っています。」

「『クロスボーダーの』というのは、『国境を超えた』という意味でしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。日本的な感覚では、『海外との』ということになります。」

「日本には国境を接する国がないからですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2020/12/9

<パナソニック乾燥機NH-D502P後記20>
玄関の屋根と居間の屋根が形作る谷をモルタルで塗る準備はできた。しかし、谷にモルタルを塗って、雨が軒に回らなくなると、戸袋から雨漏りするのを止めるのは難しいと思った。戸袋が濡れるのは、暴風雨の時ぐらいしかないので、雨漏りが止まったことを確認する実験をする機会が少なくなってしまうからだ。

それで、屋根の谷の部分にモルタルを塗るのは止めて、戸袋の上部を覆っていたシートを取り外した。両面テープで貼り付けておいただけだったので、取り外すのは簡単だった。モルタルを塗るのは、手の小指から出て脇の下に流れる心経が支配する筋肉が緩んでからの方が、作業が楽だとも思った。<続く>

2023/11/22