「おっしゃる通りです。先史時代の人類が焼き畑をしたところや数年たって放棄したところは、土が柔らかく、掘るのに邪魔になる木が少ないので、大きな泥浴び場を作るには絶好の場所です。」

「それで、人間がいるところに夜中に行って大きな泥浴び場を作る雄猪がモテたのですね」と町会長。

「雌イノシシに嫌われては、子孫が残りませんから、淘汰の圧力としては極めて大きかったと推定しています。」

「雌猪の力は偉大ですね。しかし、鬱の強い猪より、大きな力のある猪の方が大きな泥浴び場を作ることができるのではありませんか」と町会長。

「おっしゃる通りです。始めは、大きな力のある猪の方がモテたと推定しています。」

「それでは、なぜ強い鬱の猪がモテるようになったのですか」と町会長。

「イノシシは、人間にとって、先史時代より害獣だったと思われますが、同時にごちそうでもあったからです。」

「確かに、猪の肉はおいしいですね」と町会長。

「先史時代においても、ごちそうが向こうからやってくるのですから、人間が見逃すはずはありません。ウィキペディアにも『縄文時代の貝塚や遺跡からは動物の骨も数多く発掘されている。その9割は鹿、猪の肉で・・・』と書いてあります。」

「猪がごちそうだったから、線的な行動をするように進化したとお考えなのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。鹿を捕まえようとすれば、鹿を探さなければなりません。しかし、猪の場合は、どこに来るか分かっているので、罠や落とし穴を作って待っていればいいのです。」

「なるほど。大きな力のある猪は、皆、落とし穴や罠にかかって、人間に食べられてしまったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。結局、強い鬱で線的な行動をする頭のいい猪が罠や落とし穴を避けて、生き残こったのだと推定しています。」

「なるほど。そう考えれば、なぜ猪が線的な行動をするのか理解できますね」と町会長。

2020/1/11