「猪の線的な行動は異常な感じがしますが、孟宗竹に対する反応も異常です。」

「孟宗竹を5本地面に並べたら、何日か猪の気配がなかったというお話でしたね。」と町会長。

「おっしゃる通りです。裏庭に敷いた砂利の北側の端に7メートルほどの孟宗竹を5本並べておきました。孟宗竹の東端と裏庭の端の間には、LEDライトと超音波害獣撃退器に加えて、2メートルおきに忌避剤が入った湯飲み茶碗を設置しました。孟宗竹の西端とプレハブ作りの卓球場の間が4メートルほど空いていたので、竹の西の端に忌避剤入りの湯飲み茶わんを一つ、卓球場の壁際に湯飲み茶わんを一つ、真ん中にも一つおいて、2メートルおきに3つ並ぶようにしておきました。」

「狼の声が2カ所から聞こえ、昼間は砂利が見え、夜間は北向きのLEDライトに加えて、南向きのLEDライトを設置し、猪が後ろ向きで侵入できないようにしたのでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。卓球場の西側と裏庭の西端の間には7メートルほどの孟宗竹を1本おいておきました。」

「1本にしたのは、猪の線的な行動から考えて、卓球場の西側を迂回して東側にある茶ノ木の向こう側に来ることはないと考えたためですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「確か、孟宗竹のある所には忌避剤入りの湯飲み茶碗は置いておかなかったということでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「この実験は劇的な効果があったのですね」と町会長。

「数日間は猪の気配が全くなかったのですが、1週間ほど経った12月27日の朝、庭に出てみると、ハイゴケに1メートルぐらいの長さの線が5本くっきりと掘られていました。それとは別に、5か所ほどミミズを食べた小さな痕がありました。」

「茶ノ木の裏は、どうでした」と町会長。

「それが、茶ノ木の裏には荒した形跡がありませんでした。荒らされたのはハイゴケとその周辺だけだと思っていました。」

「なるほど。猪は『竹なんかこわくないぞ。そんなことをしたって、お前のミミズは食ってやるんだから』という意地を見せたということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。そして、その意地を見せたのは父イノシシのようです。」

「どうして、父猪だと分かったのですか」と町会長。

2020/1/13