「実は、イノシシの鬱については研究したことはありませんが、心臓防御反応の仮説に基づいて、治療した患者は、全員、日常生活に支障がないレベルまで症状が改善しています。抗うつ剤を飲んでも、悪化し、日常生活に問題が生じている人でも治っています。」

「それでは、人間の鬱の症状から推定して、イノシシの線的な行動から極めて強い鬱であることが推定されるということなのですね」と町会長。

「おっしゃると通りです。実は、うつ病の診断は極めて難しくて、精神科医が患者を診て、うつ病だという診断を下すことができない病気です。」

「それでは、精神科医は、どうやって鬱病の診断をするのですか」と町会長。

「簡単に言えば問診です。正規には、ハミルトンうつ病評価尺度というのを使うのですが、時間がかかるので、米国国立精神保健研究所が開発したCES-Dと呼ばれる20項目の質問を使って行われます。」

「患者の質問に対する答え方で鬱病かどうかが決まるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。例えば、会社を長期間休みたい社員がいて、うつ病であるように回答すれば、うつ病と診断されます。会社に復帰したいときには、うつ病が治ったように回答すれば、病状が回復したということで、会社に復帰できます。」

「驚きましたね。鬱病の診断はいい加減なのですね」と町会長。

「例えば、精神科医の子供がうつ病でも、自分の子供がうつ病であることに気がつかないのは一般的だと推定しています。」

「子供の症状から診断できないのですか」と町会長。

「精神科医が親として子供を見たときに感じるのは、『本人がやりたいことは何でもできるのに、やりたくないことは絶対やらない。なんてわがままなんだ』ということです。子供に対する不信感でしかありません。」

「要するに、見た目や客観的データーで診断できないのと、なぜ鬱病が起こるのか分かっていないのが原因で、自分の子供の鬱病さえ専門医が発見できないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、なぜ渡辺さんは、鬱病の診断ができたのですか」と町会長。

2020/1/4