「夜8時半ごろ見回ると、茶室と蔵の間の竹の外側に置いた忌避剤入りの湯飲茶碗が2つひっくり返されていました。うり坊が1日2回来たのは初めてでした。」

「どうして、1日に2回も来たのでしょう」と町会長。

「寒さが増し、ミミズがいなくなってパニック状態になったのだと推定しています。」

「なるほど」と町会長。

「翌日も来るかと思ったのですが、5日間気配がありませんでした。」

「ミミズがいなくなった日はパニック状態になったが、すぐ状況を理解して、対応したということでしょうか」と町会長。

「おっしゃる通りです。イノシシは徳川時代の末期まで人間と互角に戦っていたのですから、ミミズがいないという状況に、すぐ対応できるくらい頭が良くても不思議はありません。」

「なるほど。うり坊は、3本の孟宗竹も乗り越えてしまったという話でしたね」と町会長。

「うり坊がパニック状態になった日から5日間雨が降りませんでしたが、茶室と蔵の間の孟宗竹の外側に置いた湯飲茶碗が、また2つひっくり返されていました。孟宗竹の内側に置いたうり坊検知用の湯飲み茶碗はひっくり返されていなかったので、孟宗竹が3本だと、うり坊でも乗り越えられないのかと思いました。」

「でも乗り越えたのですよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。その日の夜雨が降ったので、翌日西側の通路を見回ると、茶室と蔵の間の竹の外側に置いた湯飲茶碗が蹴散らされ、竹の内側の茶碗が一つ倒れていました。」

「ウリ坊は、外側に置いた湯飲茶碗を全て蹴散らし、その勢いで3本の孟宗竹を乗り越えてしまったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。茶室の裏の庭は日当たりが悪く、ミミズがいるところなので、母イノシシと何度も来ています。雨が降ったので、その記憶から、頑張って3本の孟宗竹を乗り越えたのでしょう。3本の孟宗竹を乗り越えたことで、うり坊が線的な行動を取ることが確認できたことになります。」

「卓球場と物置の間の2本の孟宗竹の西側に置いた忌避剤入りの茶のみ茶わんがひっくり返されていなかったからですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「中庭には侵入されなかったのですか」と町会長。

「超音波害獣撃退器のある竹柵の間の通路は突破されませんでした。もう一台猫用の超音波撃退器が設置されていたのですが、壊れてしまったので検査中でした。しかし、うり坊検知用の忌避剤入り湯飲み茶碗を置いたので、突破できなかったようです。」

「なるほど。早朝で明るく、忌避剤入り湯飲み茶碗と超音波害獣撃退器が設置されていて、狼の声が聞こえると、ウリ坊でも突破できないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。猫用の超音波撃退器は役に立たなかったということになります。また、人間がうるさいと感じる音が出る超音波害獣撃退器は、忌避剤があれば効果があることが分かりました。対策としては、3本の孟宗竹を乗り越えられたので、5本にしました。その後うり坊が5回来ていますが、5本の孟宗竹は乗り越えられないようです。」

「孟宗竹を5本並べておけば、夜昼関係なく、猪は侵入できないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「孟宗竹を縦に並べて、柵を作ったら、どうなんでしょうか」と町会長。

「実験をしていないので分かりません。横に並べたものがあった場合、歩いて渡るのがストレスがない基本的な通過の仕方だと思いますが、竹に対しては強いストレスを感じるので、歩いて渡れないということになってしまうのだと推定しています。」

「柵を作った場合飛び越えるのが基本なので、ストレスを感じても飛び越える可能性があるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。柵を作るのであれば、孟宗竹を使う必要はないし、飛び越えられないように高い柵を作ればよいと思います。」

「渡辺さんの場合、柵を作りたくなかったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。そのため時間はかかりましたが、イノシシの習性が分かりました。」

2020/1/21