「ヘンイセイミミズと言いますと?」と町会長。

「日本のミミズの多くは、フトミミズと言われる種類なのですが、冬を越せない1年生のミミズだと言われています。ところが、ヘンイセイミミズは越年生のミミズで、冬でも採取されています。」

「ヘンイセイミミズは冬でも生きているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。実は、最近になって分かったのですが、うり坊は土を掘り起こしてミミズを食べることができないようです。」

「それでは、泥浴びをするのは親の猪ですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。親のイノシシが泥浴びしたところであれば、土が柔らかくなっているので、うり坊も少し掘り起こしてミミズを食べることができると推定しています。」

「それでは、泥浴びはウリ坊にミミズを食べさせるためにするのですか」と町会長。

「親イノシシは、自分が食べたいから泥浴びをするようです。しかし、その結果、うり坊はご相伴にあずかることができるのですが、それでは足りないので、暖かい時期には地表にいるミミズを食べていると推定しています。」

「なるほど。冬になって、地表にいるミミズがいなくなると、うり坊は困ってしまいますね」と町会長。

「冬になって、地表を徘徊するのはヘンイセイミミズだけなので、離乳期のウリ坊はヘンイセイミミズを食べて、冬を生き抜いていると推定しています。」

「植物性の食べ物だけでは、冬を越せないということですか」と町会長。

「それが問題なのですが、イノシシ騒ぎが頻繁に起こる新潟ではヘンイセイミミズがたくさんいるようなのですが、イノシシ騒ぎがめったに起こらない青森では、ヘンイセイミミズが極めて少ないようなのです。」

「猪の北限とヘンイセイミミズの北限が一致しているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。日本産ミミズ大図鑑によると、2015年に青森県にヘンイセイミミズがいることが確認されたようです。」

「要するに、ヘンイセイミミズがいないとウリ坊が冬を越せないので、猪の北限とヘンイセイミミズの北限が一致しているとお考えなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「ウリ坊は、どうしてミミズが必要なのですか」と町会長。

2020/1/15