「心包兪は、僕が発見した兪穴で、手首の内側の中央にあり、心包兪を緩めないと心包経は緩みません。」

「心包経と言いますと?」と町会長。

「解剖学が進んでいなかった古代においては、心包は心臓を包む膜のように考えられていたようです。心包経は、手の中指から始まり、腕の内側の中央を上がり、脇を回って、乳首の外側、横にある天地と言うツボで終わります。心包経が緩まないと、手の小指の内側から出て脇の極泉というツボで終わる心経が緩まないので、心臓を包む心包という膜が緩まないと心臓が緩まないと考えたのだと思います。」

「なるほど。心包兪が緩まないと心包経は緩まないし、心包経が緩まないと心経が緩まないので、心臓も緩まない。だから鬱も改善しないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「もしかして、男性で心包兪が緩んでいるのは渡辺さんだけですか」と町会長。

「ウェブを検索するとミミズ好きの人がいるようなので、僕だけではないかもしれません。もしかしたら研究しているのが女性という可能性もあります。先ほど話したように、人間は全て左手首に経絡的な問題があります。ウィキペディアには、『ヒト属はおよそ200万年前にアフリカでアウストラロピテクス属から別属として分化』と書かれているので、200万年以上前に人類の祖先が左手首を抜いたために、左手首に硬結が生じて、筋肉が委縮して手首がねじれ、経絡の連動性により右手首がねじれて固くなるということが左右交互に進行した推定しています。」

「右手首がねじれて固くなると、しばらくして、左手首がねじれて固くなり、しばらくして、右手首がさらにねじれてさらに固くなるということを繰り返すということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「この経絡の連鎖は止まらないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。人が気がつかないほど、わずかなねじれですが、死ぬまで止まりません。」

「もしかして、親子の経絡の連動で子供も手首がねじれるということですか」と町会長。
「おっしゃる通りです。その連鎖が200万年以上続いているので、人間の手首は簡単には緩まないのです。」

「それで手首の内側にある心包兪が緩まないのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、なぜ心包兪が緩んでいる女性がいるのですか」と町会長。

2020/1/2