「長生きをしたければ、詰碁をするしかないのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。3月26日の東京新聞によると、『新型コロナウイルスの感染が広がる中、感染者が嗅覚や味覚を失ったとの報告が世界各地で相次いでいる・・・英国の耳鼻咽喉科学会は声明で、韓国や中国、イタリアで新型コロナウイルス感染者の多くが嗅覚障害を訴え、ドイツでは感染確認者の3分の2以上に症状が出ていると指摘』ということです。」

「新型コロナウイルスの感染で、嗅覚や味覚に問題が起こるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「どうして、そんなことが起こるのですか」と町会長。

「理由は分かっていないようですが、『米英の専門家からは感染予防のためにもウイルス検査の対象に加えるべきだとの声が出ている』ということです。」

「渡辺さんは、この問題をどのように考えているのですか」と町会長。

「脳だと思います。SARSウイルスが発見される前は、高い死亡率と感染性から、コロナウイルス属のマウス肝炎ウイルスが研究されていたのですが、この遺伝子の一部がSARS-Cov-2に組み込まれていると、脳脊髄神経のミエリン鞘が傷害されるので、臭覚や味覚に異常が起きる可能性があります。」

「ミエリン鞘と言いますと?」と町会長。

「ニューロンの軸索の周りに存在する絶縁性のリン脂質の層で、髄鞘とも言います。」

「髄鞘が破壊されると、どうなるのですか」と町会長。

「ウィキペディアには、『髄鞘は伝導性が低いために、髄鞘化されていることによって神経線維の内外の抵抗は5000倍に、静電容量は50分の1となる。この絶縁性の高い髄鞘が存在することの主たる機能は、髄鞘化された神経線維に沿った神経パルスの伝導速度が速くなることである・・・脱髄疾患では神経の伝導速度が低下するため、多様な症状が起こることとなる』と書いてあります。」

「それでは、髄鞘が破壊されると、神経パルスの伝導速度が遅くなるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「SARS-Cov-2は脳に侵入するということですか」と町会長。

「脳の毛細血管は、脳に必要な物質を血液中から選択して脳へ供給し、逆に脳内で生産された不要物質を血中に排出する機能があり、血液脳関門と呼ばれ、細菌やウイルスが脳に侵入できないようになっています。」

「それでは、SARS-Cov-2は脳内に侵入できないということですか」と町会長。

「ウイルスは基本的に脳に侵入できないようになっていますが、人間が作った特殊なアデノウイルスが血液脳関門を突破できることが知られています。」

「それでは、SARS-Cov-2は血液脳関門を突破できない可能性が高いということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、嗅細胞が脆弱なため、血管を経由しないで、嗅細胞の軸索束に沿って、脳内に侵入する可能性があります。」

「嗅細胞といいますと?」と町会長。

2020/4/1