「イタリアの死者数でさえ信用できないとすると、人口100万人あたりの感染者数のグラフは、わざわざ作成するほどのものではないということですか」と町会長。

「そんなことはありません。感染情報を分析するのに、とても役に立ちます。」

「ヨーロッパやアメリカの医療文化が同じということ以外に、何か分かることがあるのでしょうか」と町会長。

「例えば、3月31日のイギリスの感染者発見率は15.7です。」

「感染者発見率といいますと?」と町会長。

「実を言うと、感染者発見率は、僕が勝手に定義した概念です。感染者発見率の基本的な考え方は、SARS-Cov-2による致死率が一定だという仮定です。」

「SARS-Cov-2による致死率は一定なのですか」と町会長。

「一般的には、違うと考えられていますが、理論を単純化するために、基本的には一定だが、人口の年齢構成や医療文化の違いなどによって、致死率が変化すると仮定しています。」

「なるほど。思い切り頭を捻ったようですね」と町会長。

「グラフを読むのが難しくて、どうしたら考え方をシンプルにできるのか、考えてみました。」

「要するに、実際には違うと言われる致死率だが、原因は同じSARS-Cov-2なので、致死率が違うのには、何か原因がある。条件を全て同じにすれば、致死率も同じになると考えているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「SARS-Cov-2による致死率が一定だと仮定した場合、感染者発見率は、どうやって計算するのですか」と町会長。

「例えば、3月31日のイギリスの感染者発見率は、イギリスの折れ線グラフを見ると、100万人当たりの感染者数は326.15、死者数は20.74です。死者数で感染者数を割ったのが、感染者発見率で15.7になります。」

「なるほど。致死率が一定と仮定すると、感染者数を死者数で割ると一定の値になるはずだという考え方ですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ですから、感染者発見率が高ければ、厳密に調査している、低ければ、適当に調査していることになります。」

「なるほど。その日のアメリカの感染者発見率は、どのくらいの数字になるのでしょうか」と町会長。

「感染者数が497.34、死者数が9.58なので、感染者発見率は51.9です。」

「それは不思議ですね。診察が無料のイギリスの方が、自費で診察を受ける米国より、感染者発見率が低いのですね」と町会長。

「僕も、これにはびっくりしました。それで、感染調査を徹底的にしているシンガポールの感染者発見率を計算してみると、282.8でした。」

2020/4/6