「先ほど、猪が海を泳いで島に渡ったという話がありましたが、その島まで、どのくらいの距離があるのですか」と町会長。

「島民の数よりイノシシの数の方が多いと言われる佐賀県の加唐島の場合、本土から約3キロです。」

「猪は3キロも泳げるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。神戸新聞によると『イノシシが、西日本各地の島へ泳いで渡って生息域を広げている』そうです。」

「猪は泳ぐのが得意なのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。英語のウィキペディアに泳ぎが上手だと書いてあります。2013年にイノシシがフランスから英国領のオルダニーという島まで11キロ泳いだという記録があるそうです。」

「なるほど、猪は泳ぐのが得意なのですね。しかし、どうして11キロ先にある島まで泳いで行ったのでしょうか」と町会長。

「8平方キロぐらいの大きさの島なのでフランスから見えるのだと思います。住んでいる人の数も2000人を超えているようなので、そのイノシシは人間が住んでいることが確認できたのだと思います。そして、泳いで行けるという確信があったのだと推定しています。」

「なるほど。人間がいれば、作物を作るでしょうから、イモやミミズが食べられるのは間違いないかもしれません。しかし、11キロも泳いで行かなければならないのですよ。ひどい鬱の猪は不安で強いストレスを感じるのではないでしょうか」と町会長。

「実験はしていませんが、イノシシは水の中ではストレスをあまり感じないと推定しています。」

「どうしてですか」と町会長。

「例えば、海の中で鼻だけ出していれば、人間に見つかることはありません。人間が作った罠や落とし穴もありません。恐ろしい音を出す車も走っていません。」

「なるほど。泳ぎが得意であれば、水中ではストレスがないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。それだけではありません。長時間泳いでいれば、ミミズを食べたときのように、心臓が緩んできます。」

「猪が長時間泳ぐと、ミミズを食べたときのように、心臓が緩むのですか」と町会長。

2020/1/24