「碁盤は19路x19路なので、361の点があります。囲碁には、相手の石があるところや、取られた状態になる点など、打ってはいけない点があるのですが、AIは、そういう点を除いて、白石と黒石をランダムに最後まで打って、勝敗を決定することを何度も繰り返し、最も勝つ確率が高い点を次の手にします。」

「AIは、打とうとする手を決めるときに、白石と黒石を交互にむちゃくちゃに打って、勝つ確率が高い点を見つけるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ゲーム終了までのシミュレーション回数が極端に多くなると、予測が正確になって、プロの棋士が簡単には勝てないようなレベルの手を打つようになります。」

「それでは、計算が速いコンピューターの方が、シミュレーションが多くできるので、強いということになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアの『コンピュータ囲碁』に『モンテカルロ碁は、終局までをシミュレーションし、勝率の高い着手を選択する。したがって、計算力が棋力に大きな影響を与える』という記載があります。」

「それでは、詰碁を解くときも、むちゃくちゃなシミュレーションを繰り返して解いているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、AIは、詰碁のような正確な手順を計算するのが苦手ということになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアの『コンピュータ囲碁』に『モンテカルロ碁の弱点として、死活やシチョウなど「正解手順はたった一つでかつ長手順だが、正解手順とそれ以外の手順に極めて大きな結果の差が生じるような」手順を見つけにくい点がある』という記載があります。」

「『死活』と言うのは、石の生き死にと言う意味ですから、難しい詰碁が苦手ということになりますね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「AIが詰碁が苦手なのことが分かりました。」と町会長。

「AIは、一定の条件を満たす手を網羅的にチェックしていると推定していますが、僕の場合は、『こんな手はないだろう』と直感すると、そういう手は脳が勝手に飛ばしてしまって、思考の対象にならないのです。」

「脳が不合理なことはしないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。そういう問題はあっても、網羅的な方法を改良して行ったのですが、有段問題になると、脳の能力が限界にぶち当たっています。」

「脳の機能低下がひどかったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。3手詰めや5手詰めなら何とかなるのですが、7手を超えるようになると、どうにもならなくなってしまうのです。」

「脳の機能低下がとてもひどかったのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。よく考えてみると、僕は詰碁を考えるとき、碁石がイメージできないのです。」

「中学生のときも、そうだったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕は、理由もなく、他の人も同じだと思っていたのですが、もしかしたら、他の人は碁石がイメージできるのではないかと思いました。」

「それで、どうしたのですか」と町会長。

「ウェブやプロが書いた随筆などを調べてみました。」

「何が分かったのですか」と町会長。

2021/3/31