「『酵素とは、生物学的な触媒として働くタンパク質である。触媒は化学反応を促進させる』と、ウィキペディアの『enzyme』の項目に書かれています。」

「MLH1は、ミスマッチ修復系で働くタンパク質だが、化学反応を促進させるのではないので、『MLH1酵素』とは言わないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、紛らわしいことに『DNA修復酵素』という言葉があるのです。」

「『DNA修復酵素』は触媒として、化学反応を促進させるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。例えば、英語のウィキペディアには『DNA-PKcs』という項目があり、『DNA-dependent protein kinase,catalytic subunit』は酵素だという記載があります。」

「『DNA-PKcs』というのは、『DNA-dependent protein kinase,catalytic subunit』のことですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、『DNA-PKcs』は、触媒として化学反応を促進させるのですか」と町会長。

「本来の触媒と違って複雑な作用をするのですが、『DNA-PKcs』でリン酸化が起こるのが『MLH1』と違って『酵素』と呼ばれる理由だと思います。」

「本来の意味での『酵素』と同じように、化学変化が関係しているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアの『キナーゼ』に、『キナーゼとは、生化学において、ATPなどの高エネルギーリン酸結合を有する分子からリン酸基を基質あるいはターゲット分子に転移する(リン酸化する)酵素の総称であり、リン酸化酵素とも呼ばれる』という説明があります。」

「なるほど。『DNA-PKcs』の『K』はキナーゼの『K』でしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。『nature research』にも、『DNA repair enzymes』という分類があるのですが、『DNA修復酵素は、放射線や紫外線、活性化酸素を出すものによる物理的な損傷認識して、修正する酵素』と説明しています。」

「なるほど。『MLH1』は酵素ではないということが理解できました。ところで、毎晩酒を飲むとガンになるという話がありましたよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。囲碁の天才、藤沢秀行も僕の父も大酒を飲んでガンで死んでいます」と町会長。

「それって、間違いないのですか。『遺伝性非ポリポーシス大腸癌』には、なぜなるのかという科学的な裏付けがありますが、アルコールでガンになるというのは非科学的な仮説ではないのでしょうか」と町会長。

「おっしゃる通り、アルコールでガンになるということに科学的な裏付けはありません。」

「やはり、そうでしたか。僕は肝臓が弱いので、アルコールを飲むのは、きっぱりやめたのですが、それでガンにならないという保証はないのですね」と町会長。

「科学的統計データーとしては、『国立がん研究センター』の『飲酒とがん死亡率との関係について:たばこの影響』というウェブページがあるのですが、『喫煙とは無関係に、飲酒は食道がんや肝臓がんによる死亡率を高める』というサブタイトルがついています。さらに、『たばこを吸っている人では、飲酒は全てのがんの死亡率を高める』というサブタイトルもついています。」

「しかし、アルコールに発ガン物質は入っていませんよね」と町会長。

2021/2/23