「ウィキペディアの『遺伝性非ポリポーシス大腸癌』に、『遺伝性非ポリポーシス大腸癌とは常染色体優性の遺伝的素因による大腸癌である』という説明は、そういう意味になるのですが、『HNPCCの遺伝的素因を持つヒトの一生を通じての大腸癌発癌の可能性は80%である。これらの癌の3分の2は右半結腸にみられる。アムステルダム基準に合致した家系での大腸癌の発症平均年齢は44歳であった。HNPCC素因を持つ女性は、一生を通じての子宮内膜癌発症は30~50%にみられる。その発症平均年齢は46歳である』という記載があります。」

「常染色体上に存在する1対の遺伝子の一方に、Aluが挿入されていても、生まれたときガンになっているのではないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「『これらの発癌リスクの上昇はDNAミスマッチ修復酵素の変異による』ということですが、なぜ、生まれたときガンになっていないで、『HNPCC素因を持つ女性は、一生を通じての子宮内膜癌発症は30~50%にみられる。その発症平均年齢は46歳である』ということになるのでしょうか」と町会長。

「マイクロサテライト不安定性(MSI)検査キットを販売するプロメガ株式会社のウェブサイトの『DNAミスマッチ修復機構マイクロサテライト不安定性(MSI)検査』に、『MSI検査は、マイクロサテライトの反復回数を調べミスマッチ修復遺伝子が機能しているかどうかを予測する検査で、リンチ症候群のスクリーニング検査として利用されています。
細胞では、細胞分裂にともなうDNA複製時に塩基の不対合(ミスマッチ)がある場合、ミスマッチ修復機構が働いて、それを修復します。この修復機構の機能低下により、さまざまな遺伝子の異常が積み重なり、細胞ががん化することがあります。この修復機能を担うタンパクをコードしている遺伝子はミスマッチ修復遺伝子と呼ばれます。リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん、Hereditary Nonpolyposis Colon Cancer :HNPCC)は、ミスマッチ修復遺伝子であるMLH1、MSH2、MSH6、PMS2の生殖細胞系列の変異が原因であることが知られています。
DNAの中で1~数塩基の塩基配列が繰り返すマイクロサテライトは、DNA複製時に繰り返し回数(反復回数)のエラーが生じやすい部分です。ミスマッチ修復機構の機能低下によって腫瘍組織と正常組織でマイクロサテライトの反復回数に違い(ばらつき)が生じます。これをマイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability:MSI)と呼びます。リンチ症候群の90%以上で、また散発性大腸がんでも6~7%で認められます。検査は、マイクロサテライトの反復回数を調べミスマッチ修復遺伝子が機能しているかどうかを予測する検査で、リンチ症候群のスクリーニング検査として利用されています。』という分かりやすい説明があります。」

「『マイクロサテライト』と言いますと?」と町会長。

「一般財団法人 環境イノベーション情報機構のEICネットの『マイクロサテライト』に、『DNA上で塩基の配列中に、同じ構造を持つ部分が2-5対繰り返し並んでいる部分のこと。遺伝情報はDNA上の特定領域に記録されているが、マイクロサテライトのほとんどは遺伝情報を持たず、機能不明な部位にある。機能的制約を受けないため、生物の個体間で違いが生じやすく、血縁の近い個体間や同じ個体の細胞間にも多型がみられる』という分かりやすい説明があります。」

「『マイクロサテライト』は、DNA上の遺伝情報が記録されている領域外にあるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「そして、『マイクロサテライトは、DNA複製時に繰り返し回数(反復回数)のエラーが生じやすい部分』なのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それで、マイクロサテライトを検査して、DNA複製時の繰り返し回数にエラーがあると、ミスマッチ修復機構に関係している遺伝子にエラーがある可能性があるということになり、その結果、『遺伝性非ポリポーシス大腸癌』の可能性があるということになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2021/2/19