「たまたま、近くに住んでいた指圧師が有名な指圧の先生の内弟子だった方で、この後いろいろな人に指圧をしてもらいましたが、この人よりうまい人はいませんでした。」

「鍼より指圧の方が効果があったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。この先生に2度ほど指圧をしてもらうと、胃の調子がよくなり、1ヶ月は大丈夫でした。」

「指圧はすごいですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ただ脂っこいものやお酒を飲むと胃の調子が悪くなるという問題は解決しませんでした。」

「それで、どうしたのですか」と町会長。

「この先生のところに、月2回ぐらいのペースで半年ぐらい通ったとき、自分の体調に関する仮説を思いつきました。」

「仮説ですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。この頃は、まだ、治療系の超能力もなかったし、経絡についても分かっていなかったので、今考えれば、本質的な問題は分かっていなかったのですが、治療効果がある仮説は思いついたのです。」

「治療効果がある仮説と言いますと?」と町会長。

「半年ぐらい指圧の先生のところに通って気がついたのは、『筋肉、特に足の筋肉がゆるむと胃の調子がよくなる』ということでした。」

「足の筋肉が緩むと、胃の調子が良くなるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。当時は分かっていませんでしたが、足には胃経が流れているので、胃経上の硬結を緩めれば、胃の機能が上がります。」

「経絡の理論を知っていれば、簡単に分かることなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。当時は、経絡の知識がなかったので、仮説を考えつくのに半年もかかってしまいました。」

「足の筋肉が、なぜ固くなってしまったかということが説明できる仮説を作って、それに基づいて対処法を考えようということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。当時思いついた仮説は、『走る前から足の筋肉はかなり固くなっていて、そのために胃の調子が悪かった。走ると、乳酸など筋肉にたまっていた老廃物が一時的になくなり、体が軽くなったように感じた。しかし、栄養が十分に取れない状態で走ると筋肉が回復せず、さらに硬くなり、胃の調子がさらに悪くなった』というものでした。

「なるほど。その仮説だと、走り始めてから2ヶ月間は、胃の調子が改善したように感じたのに、3カ月目あたりから悪化し、どうにもならなくなったことが説明できますね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2021/3/4