「陰の本で老化が加速することを確信したので、陰の本を探し回ったのですが、見つかったのは1冊だけで、高尾山薬王院について書いてある、10センチほどの厚さの本でした。父は、晩年、京都の智積院で1年間修業し、薬王院で僧侶として働いていました。その時、大山隆玄貫首からいただいたものだと思います。人の写真がたくさん載っていたので、驚くほどの陰でした。それを焼却したら、厳しいタイプの鏡で見たときの顔つきが少し改善しました。

「その後、また何かあるのですね」と町会長。

「その後、耳が緩まなくて困っていたところ、カラオケ練習用に買った陰のCDが大量に見つかりました。1枚1枚割って焼却すると、耳が緩んで聴力が上がりました。FENがAFNに代わってから"Eagle Eight Ten"が聞き取れなかったのですが、突然、効きとれるようになっています。音楽用のCDは全て陰のようです。陰のCD持っていると耳が固くなり、聴力が低下します。体に大きな変化はあったのですが、外見はほとんど変わりませんでした。」

「外見を変えるような陰の物とは、どのような物なんですか」と町会長。

「茶道で使う水指です。両親とも茶道をやっていたのですが、父が高尾山薬王院で働くようになってから茶室を作りました。昔から住んでいた家が100年以上経つものだったので壊すのが惜しかったようで、新しい家を建てたとき、改造して竹亭と言う茶室にしたのです。ウェブで画像検索をすると分かりますが、茶道具は全て陰です。茶室には2、30人来ても、もてなすことができるほどの茶椀があったので、2~3個づつ玄能でたたき割って処分していたのですが、ある日茶室にある水指が信長が持っていた九十九髪に匹敵するほどの強い陰であることに気がつきました。これをたたき割って、処分したとき二度目の若返りが起こりました。

ウェブで画像検索をすると水指は陰が強いのですが、たたき割った水指は、画像検索で出てくるものより、陰が強かったので、高価なものだったのではないかと推定しています。父は僧侶になって2、3年した頃、教戒師になったこともあり、薬王院での法話は父が行っていました。また、テレビ局の取材があるときは、父が説明していたようです。そのため、法力がある高僧だと勘違いした人がいて、茶室を作ったお祝いに高価な水指をいただくことになったのかも知れません。」

「陰の水指を割ると若返ると言うことですね」と町会長。

「同じことをしても、若返るのは難しいと思います。」

「どうしてですか」と町会長は、理解しかねるらしく、理由を聞いてきた。

2019/9/29