「腎臓の機能を上げる治療は、僕が創始したものではありません。ピラミッドで治療を始めた頃は、腎臓の機能が大きく低下した人を治療すると、腎虚がひどくなり、かえって、強い症状が出てしまうという問題に突き当たっていました。その頃、たまたま仁心術という本を手に入れました。その本に書かれている治療法は、僕が創始した対角法という治療法に原理が似ているように思いましたが、書いてあることが複雑で分かりにくかったため、著者の加藤春樹先生に、『気功治療をしているものですが、分かりにくいところがあるので、仁心術で一度治療していただけないでしょうか』という旨の手紙を書いたところ、先生が休みの日に治療していただくことになりました。」

「それじゃあ、腎臓の機能を上げる治療は、仁心術と言う治療法なのですか」と町会長。

「ちょっと複雑なんですが、仁心術は村井次郎という方が創始した治療法です。加藤先生が少年時代に弟子になりたいと言ったら、村井先生に『君は鍼灸を勉強しなさい』と言われたと、仁心術という本に書いてありました。詳しいことは忘れましたが、村井先生は自分がいつ死ぬか予言し、予言した通りに亡くなったとも書いてありました。

今考えると、村井先生は腎虚の治療で苦しんでいたのだと思います。僕の創始した対角法でも、徹底的にやると、最後は腎虚がひどくなり、どうにもならなくなります。

村井先生は自分の体で治療実験をし、腎の気の流れを良くする方法を発見したが、仁心術は道具を使わないので、自分の命を延ばすほど十分な腎の気を流すことができなかったのでしょう。村井先生が『君は鍼灸を勉強しなさい』と加藤先生に言ったのは、道具を使う鍼灸であれば、腎の機能を十分に上げることができると思ったからだと推定しています。

村井先生は持病を持っていて、その治療をするごとに腎の気の流れが弱くなるので、自分の死期を推定できたのではないかと考えています」

「仁心術や対角法で治療すると腎虚と言う状態になるのですか」と町会長。

「仁心術や対角法だけでなく、鍼灸や整体などでも、腎の機能が低いと同じ問題が起きます。なぜかと言うと、体が変化するには、余分な腎の機能が必要だからです。」

「腎臓の機能低下は、東洋医学系の治療を受けようとすると、きわめて大きな問題になるということですか」と町会長。

2019/9/23