「人間の脳の機能や体力が低下していることを示す、もっと分かりやすい例があります。人間は、生きるのに必要なビタミンCを作ることができません。遺伝子を調べると昔は作っていたのですが、6500万年くらい前に、ビタミンCの合成の最終段階に必要なグロノラクトン酸化酵素が作れないようになっています。」

「6500万年くらい前と言うと、中生代から新生代に移り変わろうとしているときですね」と町会長。

「その頃、人類の祖先は赤い色が見えるようになるという他の哺乳類には見られない進化をしています。その結果、果物を見つけやすくなった人間の祖先の数が急激に増えてしまったと推定しています。」

「そうなると、インフルエンザウイルスで壊滅し、赤い色は見えるがビタミンCが作れないように進化し、脳の機能も体力も低くて、少人数の種族しか作れないタイプの人間が生き残ることになるのですね」と町会長。

「さすが町会長。まさにその通りです。ビタミンCが作れないマウスを遺伝子操作で作ると老化が早く、すぐ死んでしまいます。」

「霊長類以外の哺乳類は、アスコルビン酸が合成できるのですか」と町会長。

「霊長類以外では、コウモリとテンジクネズミがビタミンCが作れないと言われています。ビタミンCは、魚類が両生類に進化して、陸上生活を始めたとき、太陽光線から身を守るために必要だったようです。だから、両生類から進化した爬虫類もビタミンCが作れます。」

「爬虫類が現れたのは3億年くらい前ですよね。ところでビタミンCはどういう働きをするのですか」と町会長。

「基本的には、植物と同じで、太陽光線で組織が酸化されるのを防ぎます。また、皮膚や骨のコラーゲンを作るのにも必要です。」

「植物がビタミンCを作るのは太陽光線から身を守るためでしたか。最近は、太陽光線を浴びる機会が少ない人が多いようですよ。海水浴に行く人も少なくなっているみたいだし」と町会長。

「それでもビタミンCは必要です。僕は、毎日5~10gコーヒーに入れて飲んでいます。厚生労働省は、成人男子の必要量は一日85mg、推奨量は一日100mgと言っているんですが、英文のウィキペディアに体重70kgのヤギは1日13,300mg以上のビタミンCを作ると書いてあったので、このくらいは必要かなと思って大量に飲んでいます。大量に飲んでも、下痢にはならないですね。大量に飲むもう一つの理由は、ガンになった友達が毎日5gほど飲んでいて、5年以上経つのに再発しないという事実があるからです。抗がん作用があることは知られていて、ガンを手術した傷口にビタミンCを吹き付けたり、点滴したりする病院があるようです。」

「抗ガン作用があるのですか」と町会長。

「抗ガン作用だけではなく、脳の機能が上がったり、皮膚が柔らかくなったり、色々な効果があります。人間の体は、さまざまな酵素による化学工場みたいになっているのですが、その酵素の補酵素として働く金属イオンを還元して、酵素を活性化させるからだと思います。」

「厚生労働省の推奨量が一日100mgというのでは、ガンにでもならない限り、5g飲むという気にはなりませんね」と町会長。

「まあ、それが常識ある大人の取るべき態度かもしれませんね。実は、ビタミンCは小腸上皮表面にあるナトリウム依存性ビタミンCトランスポーターによって取り込まれるので、実際に飲んでいるのは、女性が化粧水を作るときなどに使うビタミンCナトリウムです。ビタミンCを毎日飲んでいたこともあるのですが、酸っぱいので、5g飲むのは厳しいです。」

「ビタミンCナトリウムは、酸っぱくないのですか。」と町会長。

「かすかな苦みがありますが、無味無臭と言っていいと思います。」

「ビタミンCは厚生労働省の推奨量に従って飲んでみようと思うんですが、ビタミンC以外で、慢性的に欠乏しているために、体力が低下したり、脳の機能が低下したりするものって、他にもあるんのですか」と町会長は聞いて来た。インフルエンザウイルスから種として生き残るために欠乏症による短命の少人数の種族が生き残り、個としての生存競争には免疫力や体力、知力が進化したタイプの人間が増殖し、再びインフルエンザウイルスで壊滅するという理論を理解しただけでなく、長生きするために応用が利くレベルに達したようだ。

2019/9/17