「長老は腎の治療でM化し、戦いの日々を求めて、いなくなってしまいました。残りの猫は統率を失いましたが、黄色い猫は頻繁に来ていました。ちょうどその頃、苔庭を造り始めたのですが、ある時、黄色い猫が苔の中に入りました。苔をグチャグチャにする猫がいるので、黄色い猫に、『そこに入るんじゃない!』と言ったら、大きな声で『ニャー』と言い、すぐ苔の中から出ました。以後、黄色い猫は苔の中に入ることはありませんでした。」

「驚きましたね。猫が人間の言葉を理解するのですね」と町会長。

「町会長の猫も、町会長の言うことは理解しているのですが、分からないふりをしているのです。」

「猫はなぜそんなことをするのでしょうか」と町会長。

「猫は見かけによらず、肺が弱いのです。猫は1年ぐらいで大人になるのですが、3年ぐらいすると、肺虚腎虚で後頭部の可動性が悪化し、鬱になります。鬱になると、人間も同じですが、好きなことは何の問題もなくできるのですが、嫌いなことはできなくなります。それで、猫は人間の言うことが分からないふりをするのです。」

「猫が鬱だとは知りませんでした」と町会長。

「人間が鬱になった場合、社交性を失うので、その代償作用として礼儀正しくなります。猫は、人間が言うことが分からないふりをする代償作用として、毛づくろいを頻繁にし、常に清潔であるように心がけています。そうすれば、飼い主の言っていることが分からないふりをしても嫌われないからです。」

「猫は、家出して、帰ってこないことがあるみたいですが、それも鬱だからですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。猫は何か気になると、鬱なので気になって気になって、どうにもならなくなります。飼い主と交渉することができないので家出をしてしまいます。家の造作を変えたりすると、そういうことが起こりやすいですね。」

「なるほど」と町会長。

「実は、猫が人間の言葉を理解すると思っていたのですが、最近、そうではなく、人間の考えが直接理解できるのではないかと考えています。

例えば、中神先生のところにお伺いしたとき、猫が膝にピョンと飛び乗ってきました。その時は、猫が陽好きだからと思っていましたが、今考えると、中神先生自身が陽好きで、猫がそれを察したために、膝に飛び乗って来たのではないかと思っています。

家に来る猫の中でも、昔、小作人で、親の代から境界線を広げようとしている家の猫は、決して僕には気を許しません。友人だと思っていた人の家に伺ったとき、猫が敵意を見せるようだと、友人のふりをしているだけで、実際は妬み心を持っている可能性が高いです。」

「猫は、飼い主が何を考えているか分かっているのですね」と町会長。

「飼い主がいない場合でも、飼い主の考えに従うような行動をするのは確かです。人間のような社交性はないからですね。苔をグチャグチャにしようとしたのも、元小作人の家の猫です。」

「驚きですね。猫は飼い主の考えが分かるほど頭がいいのですね」と町会長。

「猫は、写真を持っていないだけでなく、陰の本や陰の携帯も持っていません。ゲームもしませんから。」

「人間の脳の機能低下は、陰の本が初めて書かれたとき、始まったのですか」と町会長。

2019/11/8