「ウィキペディアの『酸素同位体』に『地球の大気における酸素原子の安定同位体の存在比は、16Oが99.759%、17Oが0.037%、18Oが0.204%である。しかし、水分子はわずかに軽い方の酸素同位体を多く含む傾向がある。そのため、地球上の淡水、極氷の18Oを含む水分子の存在比は0.1981%であり、大気中の18Oの存在比や、海水での18Oの存在比(0.1995%)よりもわずかに低い。

これは、18O原子を含む水の方が16O原子を含む水分子よりもわずかに凍りやすく、また、水が赤道付近で蒸発して極周辺へと大気輸送される際に、レイリー分別効果の影響も受けるためである。

そのため、南極や北極などで堆積している過去の氷の酸素原子の同位体比には、当時の気候が反映されており、その測定により過去の気候変動を解析することができる』と説明されています。」

「『存在比』と言いますと?」と町会長。

「地球の大気には、酸素の安定同位体、酸素16と酸素17と酸素18の3種類があるのですが、3種類の酸素原子の量の割合のことを『地球の大気における酸素原子の安定同位体の存在比』と言っています。」

「なるほど。湖の水や南極の氷に含まれる酸素18の割合は、大気中の酸素18の割合よりわずかに低いのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。海水の水分子に含まれる酸素18の割合は、湖の水や南極の氷に含まれる酸素18の割合より高いようです。」

「なるほど。」

「なぜ、海水の水分子に含まれる酸素18の割合は、湖の水や南極の氷に含まれる酸素18の割合より高いのですか」と町会長。

「海水が蒸発するとき、軽い酸素16を含む水の分子の方が蒸発しやすいためのようです。」

「なるほど。海で蒸発した水蒸気が雲になって、雨や雪を降らすので、雨が溜まった淡水湖や南極の雪の水分子には軽い酸素16が多いということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「レイリー分別効果と言いますと?」と町会長。

「水は水素と酸素からできているのですが、水素にも同位体があります。水が蒸発して水蒸気になったり、水蒸気が雨や雪になったりするとき同位体比が変化するのですが、水素の同位体比と酸素の同位体比の間に一定の関係式がなりたつことが知られています。」

「同位体比と言いますと?」と町会長。

「水を構成する水素と重水素の比と酸素16と酸素18の比のことです。」

「重水素というと、もしかして、核融合に使うやつですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「もしかして、そんなのが水道水にも入っているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。電気分解すると、普通の水素の入った水の方が分解されやすいので、重水素が入った水が残り、濃縮されていきます。」

「なるほど。」

「水の状態が変化すると、水を構成する水素と酸素の同位体比が変化します。『レイリー分別効果』というのは、水の状態の変化に伴う同位体比の変化のことを言っているのだと思います。」

「水が赤道付近で蒸発するときに、同位体比が変化するのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。水蒸気が大気輸送される途中で、凝結して雨になっても同位体比が変化します。」

「なるほど。水の状態が変化すると水素と酸素の同位体比が変化するのは、重さが違うからですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。水蒸気が大気中で雪に変化する場合、酸素18が入っている水分子の方が引力が強いので、酸素16が入った水分子より、早く雪になる傾向があります。」

「なるほど。それでは、赤道付近で海水が蒸発してできた雲は、雨や雪を降らせるごとに、酸素18が入った水分子が少なくなっていくということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。そのため、高緯度になるほど、雨水に含まれる酸素18の量が少なくなるようです。」

「なるほど。『レイリー分別効果』の意味が分かったような気がします」と町会長。

2020/7/20