「科学の専門化が進むと、気候予測のような総合的な科学に問題が生じるのですか」と町会長。

「気候予測に関係した全ての専門分野を寄せ集めても、気候予測に必要な全ての分野をカバーできないという、科学の本質的な問題があります。人間の能力には、極めて大きな限界があるため、研究可能なことを研究するのが科学の本質です。そのため、人間が研究する科学の分野には偏りがあるのです。」

「なるほど。人間は、研究しやすいことを研究して科学を発達させてきたのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。例えば、脳が経絡のデーターをどのように処理しているかということは、長生きするためには避けられない研究ですが、脳の経絡のデーターについて仮説を考えた人間はいないのではないでしょうか。」

「なるほど。必要な研究であっても、研究が困難であれば、研究を避け続けるのが人間なのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。もう少し分かりやすい例としては、人工衛星の発達で、海の表面の研究は急激に進むようになりましたが、深海のデーターは人工衛星では取得できないので、研究がなかなか進みません。」

「なるほど。ウィキペディアに『深海のほとんどは未踏の領域である』と書いてありましたね。深海を研究したくても、何千メートルという深さのある深海に簡単に行くことはできないので、研究者が少ないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。人間は、偏りがない総合的な気候予測モデルを作れるような、バランスの取れた研究をしてきていないのです。」

「科学は細分化され、専門化されて、急激に進歩したが、未開の分野が数多くあるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。また、専門分野の季候モデルをたくさん組み合わせた結果、予測精度が落ちるという可能性もあります。」

「専門的な気候予測モデルの研究が数多くされた結果、予測精度が落ちる可能性があるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。例えば、季候のような大量のデーターを扱う場合、高速で計算できるコンピューターが必要になります。一つの解決策として、複数のコンピューターをつないで、一つのコンピューターとして使うという方法があります。」

「なるほど。複数の専門分野から成り立つ季候モデルと似たようなところがありますね」と町会長。

「おっしゃる通りです。直感的に考えると、コンピューターの数が増えれば、増えるほど、高性能になるような気がしますが、実際には、コンピューターの数が多くなると問題が出てきます。」

2020/8/17