「コンピューターの数が多くなると問題が出てくるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。複数のコンピューターを一つのコンピューターとして使うには、複数のコンピューターを制御する中央制御コンピューターが必要になりますが、そのアルゴリズムがしっかりできていないと、PCを使うように手軽に使えないため、利用上の制約が多くて使いにくいものになります。」

「『アルゴリズム』と言いますと?」と町会長。

「高性能のコンピューターを設計する場合、『アルゴリズム』が問題なのですが、プログラミングに使う言語が発達したため、『アルゴリズム』を考えないでプログラミングする人が多いようです。」

「『アルゴリズム』は、コンピューターの『プログラム』のことではないのですか」と町会長。

「アルゴリズムとプログラムには本質的な違いがあります。C言語とか、FORTRAN、日本で開発されたRubyのようなプログラミング言語で書かれたものが『プログラム』ですが、『アルゴリズム』はプログラミングをする前に必要な論理構成のことです。」

「それでは、違った言語を使っても、『アルゴリズム』が同じであれば、プログラムは同じ機能を持つということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。中央制御コンピューターのアルゴリズムがしっかりしていないと、コンピューターの数が多くなると、コンピューター制御の問題が出てきます。極端な例ですが、利用者が間違った使い方をしたとき、コンピューターの制御に問題が生じて、演算スピードが思い切り落ちてしまうというような事態も起こります。」

「なるほど。総合的な気候予測モデルでも同じような問題が起こるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。コンピューターの場合、接続するコンピューター数が分かっているので、フローチャートを作って、問題をどこまでも詰めていけば、PC程度の操作性があり、演算スピードも十分にあるというものが作れると思います。」

「なるほど。コンピューターの場合は、何台使うかがあらかじめ分かっているので、頑張れば、いいものができる可能性があるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、総合的な気候予測モデルの場合、必要な専門分野の数が分かっていません。」

「なるほど。それでは、正確な予測ができる総合的気候予測モデルを作るのは、原理的に難しいということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。実用になるようなものを作るには、過去の季候データーを参考にプログラムを補正するしか方法はないと思います。」

「なるほど。未来の季候データーはありませんから、天気予報のように現実の生活の中で使おうとすると、人工衛星などを使って、補正をし続けなければならないということになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、米国が総合的な気候予測モデルを作るのも、極めて難しいということになりませんか」と町会長。

「米国が、日本と同じように、気候に関する科学分野を統合するような方法で、気候予測モデルを作ろうとすれば、同じ問題に突き当たると思います。」

「それ以外に、方法があるのですか」と町会長。

2020/8/18