「そこまでこまごまとチェックすると、商人系だと分かるのですね」と町会長。

「陰の物を全て破棄させても、肺虚が良くならないので、親子の経絡の連動性で、治療で改善した肺虚が元に戻ってしまうのかと考え、ご両親について細かく聞くようになりました。」

「お父さんは商売をしているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。彼の話だと、若い頃は会社に勤めていたそうですが、途中から自分で商売をするようになったのだそうです。会社に勤めても、大した給料はもらえないから、商売を自分でするのが1番だと、常々言っていたそうです。」

「それでは、お父さんは、息子さんを会社員にはしたくなかったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。勉強しろなどと言ったことは1度もなかったそうです。」

「変わった方ですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。実際、受験しなければならない息子に語学留学を進めて、大学受験をさせないでアメリカに留学させています。」

「息子さんに大学に行って欲しくなかったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。息子が一流大学に入ってサラリーマンになってしまうのを恐れたのだと推定しています。」

「息子が一流大学に入ってサラリーマンになってしまうのを恐れたのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。息子に自分の商才を遥かに超えるような商才があることに気付いていたのだと推定しています。」

「サラリーマンだと年収が2000万円ぐらいが限界ですが、お父さんの年収は、そんなレベルの物ではなかったということですか」と町会長。

「そうとしか考えられません。少なくとも、年間の売り上げが数十億なければ、一流大学に行く能力がある息子をサラリーマンにしたくないなどとは思わないはずです。」

「そうですよね。商売にはリスクが伴いますから、利益が年数億に達しなければ、大学受験に失敗させるために、アメリカに語学留学させるなどということは考えるはずがないですよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ところが、コーネル大学を卒業して帰国し、就職すると、お父さんが『金を貸してくれ、金を貸してくれ』と言うようになったので、本当に嫌になって、家を出ようかと思っていると言うのです。」

「『借りた金は、返してくれないの』と聞いたら、『会社の運転資金に使うだけなので、すぐ返してくれます。「金を貸してくれ」と言われるのが嫌なのです』ということでした。」

「それはどう考えても変ですね」と町会長。

「僕もそう思ったので、どういう会社か聞いたら、画材を販売する会社で、有限会社になっているということでした。」

「ちゃんとした法人になっているのですね」と町会長。

「そうなんですよ。経理は誰がやっているのか聞いたら、税理士にやってもらっているということでした。彼が貸すお金は、30万円ぐらいなのですが、30万円のお金に困る人が税理士にお願いするはずがないと思いましたね。」

「経理って、素人には難しくないですか」と町会長。

「普通の人には難しいですが、彼のお父さんぐらい頭がいいと、有限会社の決算ならできるはずです。」

「なるほど。いずれにしろ、30万円の運転資金に困っているのなら、どのみちつぶれてしまいますよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。今にもつぶれそうな会社が税理士に経理をお願いするのは、どう考えても変です。彼の話を聞くと、会社が潰れるというような話はないみたいで、だからお金を貸すようなのです。」

2020/5/25