「海洋には、大気中のCO2に蓄えられている熱量より、はるかに大きな熱量が蓄えられているようです。」

「大気は、大きな熱量が蓄えられている海洋と熱のやり取りをしているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「その熱のやり取りが季候に影響を与えるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「そして、1971年から2010年の40年間の地球上のエネルギー増加量の60%以上が海洋の表層に蓄えられているのですね」と町会長。

「そうなんですよ。海は鍋とは違うということです。」

「対流のことを言っているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「鍋は下から加熱するので、対流で全体がすぐ温まりますが、海は太陽の放射熱で表層から温めるので、深層はなかなか温まらないと考えられます。」

「しかし、エネルギー増加量の30%は海洋の700mよりも深いところに蓄えられたと考えられているのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアには、『深海』という項目があって、深海の一般的な温度の説明がありますが、気象庁とは定義が少し違うようです。」

「なるほど。それで、気象庁の『海洋への熱の蓄積について』には、『(海洋の表層が)ここでは海面から深さ700mまでを指します』と言う説明があるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアにも『深海とは水深200メートルより深い海の部分を指す。これは必ずしも厳密な定義ではなく、これ以外の用法も存在するが、おおよその場合にこのように扱われている。普通はこれより浅い海の部分を表層という』という説明があります。」

「なるほど。定義が微妙にずれていますね。それでは、ウィキペディアの『深海』には、水深200m以上の海域の温度についての説明があるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアには、さらに『これは特に生物に基づいての判断であり、この深さまでは太陽光によって植物(プランクトン)が光合成可能であることをその大きな理由としている。この深さでは可視光線はほぼ遮断され、暗黒の世界となる。ただし厳密な測定ではより深くまで通る光はあり、その深さは1,000メートルに達する。そのため200-1,000メートルを弱光層、それ以深を無光層と呼ぶ例もある』という説明があります。」

「もしかして、この説明を書いた人は、気象庁の『表層』の定義を意識しているのではありませんか」と町会長。

「もしかしたら、そうかもしれません。多分、気象庁はプランクトンの光合成という観点ではなく、気象に強い影響を与える深さという観点から700メートルという定義を使っているのだと思います。」

「なるほど。ウィキペディアによれば、1,000メートルまでは光が届くのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアが正しければ、海洋は1,000メートルまでミランコビッチ・サイクルの直接的な影響を受けることになります。」

「なるほど。それでは、1,000メートルまでの深さと、それ以上の深さでは、海水の温度に差があるということですか」と町会長。

「ウィキペディアの『深海』を読むと、深海の温度は緯度と関係していて、意外に複雑で、『水深300メートル付近まで混合層と呼ばれる海水が上下に移動できる領域があり、ここでは低緯度海域の赤道直下では30℃付近、中緯度海域は10-20℃となり、高緯度海域は表層から深海まで2-3℃前後で一定となっている。低・中緯度の両海域では1,000メートルより深い深海は2-3℃前後となって一定となる』と書いてあります。」

「低・中緯度の両海域では1,000メートルより深い深海は2-3℃前後となって一定となるのですか」と町会長。

「確かに、そう書いてあるのですが、右側の深海の海水温度のグラフを見ると、低緯度海域では2,000メートル近くまで温度が低下し続けています。1,500メートルを過ぎると、温度の低下が小さくなるので、1,500メートルくらいまで届く波長の光があるのかも知れません。」

「ウィキペディアの原稿を書くときに使った資料が、文章とグラフでは別だったのでしょうか」と町会長。

「そうかもしれません。『21世紀の現在でも大水圧に阻まれて深海探査は容易でなく、大深度潜水が可能な有人や無人の潜水艇や探査船を保有する国は数少ないなどから、深海のほとんどは未踏の領域である』と書いてあるので、深海に関するデーターは少ないのかも知れませんね。」

「なるほど。深海のほとんどは未踏の領域なのでね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2020/7/24
2020/8/15 「データ」を「データー」に修正。