「『高緯度海域』というと、南極や北極に近い海域ということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「高緯度海域は表層から深海まで2-3℃前後で一定ということは、高緯度海域の海洋貯熱量は少ないということですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「低緯度海域と中緯度海域には、水深300メートル付近まで混合層と呼ばれる海水が上下に移動できる領域があって、低緯度海域の赤道直下では混合層の温度が30℃付近、中緯度海域は10-20℃ということなのですね」と町会長。

「気象庁には、『表層混合層の厚さ』というウェブページがありますが、『 海面付近には深さ方向に水温変化の少ない層があります。これを表層混合層といいます。冬季には海面で海水が冷却され、また海上を吹く風によって上層と下層の水が活発にかき混ぜられるため、厚い表層混合層が形成されます。夏季には、海面付近の海水が、日射により温められ、海面付近と下層の温度差が大きくなるため、表層混合層は薄くなります。表層混合層の薄い夏季は、海面を出入りする熱が海面付近の薄い層の水温のみを変化させるため、熱の出入りに対し海面水温は敏感に変化します。一方で表層混合層が厚くなる冬季には、海面を出入りする熱が厚い表層混合層全体の水温を変化させるため、海面水温の変化は比較的小さくなります。

下の図は、表層混合層の厚さの1982年~2010年の29年間の平均です。日本近海において、夏季は10~20m程度であるのに対し、冬季は100mを超える海域が広がっています。 』と書かれています。」

「なるほど。海洋は地球表面の7割を占めるだけあって、表層においても科学的な知見が一致するのに十分なまでの研究がされていないということですか」と町会長。

「そうかもしれません。ウィキペディアには『ARGO計画』という項目があり、『Argo計画では、水深2000mから海面までの水温・塩分を約10日毎に観測するアルゴフロートを全世界の海洋に3000本(約300km間隔)で配置し、その観測データーを人工衛星を介してリアルタイムに配信する』と記載されているので、日本海に1本配置するかしないかという大雑把な観測システムはあるということです。しかし、科学的な知見が位置していないので、日本海にはないのかも知れません。」

「なるほど。それでは、ウィキペディアは、世界の一般的な海洋について説明しているということですか」と町会長。

「そういうことかも知れません。表層混合層という言葉を使っているので、中層混合層という言葉があるのかもしれないと思って、ググってみたのですが、そういう言葉はないようです。定義が国によって異なるのかも知れません。いずれにしても、海洋学というのは、物理学や化学のような精密な学問とは異なるということですね。」
 
「なるほど。ウィキペディアの記述を参考にすると、海洋貯熱量の多くは低緯度から中緯度の海域に蓄えられているが、表層温度が高い低緯度の赤道付近に大量に蓄えられているということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「そして海洋貯熱量が大気との熱のやり取りを通して様々な時間・空間スケールで気候に大きな影響を与えるということなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。問題なのは、海洋貯熱量が低緯度海域を中心に増加したのに、比熱の低い大陸においては、ミランコビッチ・サイクルの影響で貯熱量が減っている考えられることです。」

「海洋貯熱量が増えて、大陸の貯熱量が減ると、何が起こるのですか」と町会長。

「季候の変化によって、海洋に蓄えられた熱が貯熱量の低いところに移動しようとするため、季候が大きな変化を起こす可能性があります。」

「渡辺さんは、季候の変化で次の氷期がくる可能性があると考えているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。季候が変化を起こす2番目の要因は、海洋の表面の温度が上がっているために、大気中の水蒸気の量が増えていることです。」

「大気中の水蒸気の量が増えると季候は、どのように変わるとお考えなのですか」と町会長。

「雲が増えます。」

「なるほど。雲が増えると太陽光を反射するので、気温が下がるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。雲が増えるだけでなく、雨が降り、比熱が低い大陸の温度を下げます。」

「しかし、スイスアルプスの氷河は後退し、北極圏では、海氷が減少し、永久凍土も解けているのではありませんか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2020/7/27
2020/8/15 「データ」を「データー」に修正。