「常識ある人間の考えが間違っているのですか」と町会長。

「常識ある人間の考えというのは、おおむね正しいのですが、たまに間違っていることがあります。」

「そういえば、肥田式の腹式呼吸がそうですよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウェブ上の腹式呼吸の説明が、皆、間違っているので、念のため海外のサイトも調べたことがあるのですが、正しい説明がしてあったのは一つだけでした。」

「あの腹式呼吸は、肥田式以外でも使うことがあるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕が見つけたのは、中国系の武術のサイトでした。写真に載っていた人が、全員、陽の気を発していたので、『呼吸法が正しいと、皆、陽の気を発するようになるのか』と思った記憶があります。」

「なるほど。肥田式の腹式呼吸は武術に向いているのですね」と町会長。

「声楽家でも、肥田式の腹式呼吸と同じ発声の仕方をする人がいます。」

「カラオケでも使えるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。オペラ歌手が僕の英会話スクール来ていたのですが、『お腹を膨らませながら声を出すと、大きなホールでもマイクは要らない』と言っていました。」

「それは驚きですね。常識的な考えに間違いがあることは、たまにあるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。AIには常識がないので、人間が思いつかないような、数値季候モデルを作ることができたのではないかと推定しています。」

「なるほど。しかし、なぜ、この温暖化が次の氷期を引き起こすことになるのですか」と町会長。

「過去45万年の気温の変化を表すグラフを見ると、ミランコビッチ・サイクルに従って氷期に入ろうとしているのに、400ppmを超えているCO2のために、気温が下がらないように見えますが、この問題を引き起こしている最大の原因は、大気中のCO2ではなく、海洋貯熱量だと推定しています。」

「『海洋貯熱量』と言いますと?」と町会長。

「気象庁の『海洋への熱の蓄積について』に『地球表面の7割を占める海洋は、大気に比べて熱容量が大きいため大量の熱を蓄積しており、大気との熱のやり取りを通して様々な時間・空間スケールで気候に大きな影響を与えます。このため、気候変動の監視、解析を行うためには、海面だけでなく海洋内部が蓄えた熱量(海洋貯熱量)の変化を詳細かつ正確に捉えることが重要です。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(IPCC, 2013)は、1971年から2010年の40年間で気温の上昇や氷の融解などを含む地球上のエネルギー増加量の60%以上が海洋の表層(ここでは海面から深さ700mまでを指します)に、およそ30%は海洋の700mよりも深いところに蓄えられたと見積もっています。』という説明があります。」

「比熱は、水が1番大きいので、海洋には、途方もない量の熱が蓄えられているのですね」と町会長。

2020/7/23