「『テロメアとテロメラーゼによる染色体保護の発見』でノーベル賞を取ったエリザベス・ブラックバーンという学者が、『テロメア・エフェクト』という本を書いています。その本によると、テロメアがないと、突然変異によって細胞の機能不全や細胞死が起きたり、ガン化した細胞の増殖が起きたりするそうです。」

「細胞分裂をするたびにテロメアが短くなってしまうのでは、肥田式で超人になったとしても、いつかは死ぬということですね」と町会長。

「そういうことになると思われていたのですが、テロメラーゼが細胞分裂で欠けたテロメアを修復できるというブラックバーンの発見で、人間の寿命に対する考え方に大きな変化が起こりました。」

「人間は不老不死の可能性があるということですか」と町会長。

「それが、テロメラーゼが活性化しているのは、幹細胞、免疫細胞、骨細胞、腸の細胞、肺の細胞、肝臓の細胞、膵臓の細胞、心臓の平滑筋の細胞、海馬などの脳の一部の細胞、皮膚の細胞、髪の毛の細胞、心血管系の内側を覆う細胞などに限られていて、テロメラーゼが活性化していない体細胞ではテロメアの短縮が起こると言われています。」

「それでは、人間が不老不死の可能性はないのですね」と町会長。

「それが、ブラックバーンの『テロメア・エフェクト』を読むと、そうとは言いきれないようです。例えば、『瞑想や気功などの心身テクニックは、ストレス軽減に加え、テロメアを修復する酵素であるテロメラーゼを増やす効果もある』と書いてあります。」

「ノーベル賞を受賞した学者が書いた本に書いてあるということは、瞑想や気功などの効果に科学的な裏付けがあるということでしょうか。」

「おっしゃる通りです。ブラックバーンはテロメアの長さを測る簡易な方法があると言っているので、ウェブで調べたら、35000円でテロメアの長さを計測するというサイトが日本にもありました。調べれば、もっと安いサイトがあるのでしょうが、テロメアの長さが分かったところで寿命が延びるものでもないので、サイト探しはしませんでした。」

「瞑想や気功などの効果をテロメアの長さを測定することで証明することができるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。瞑想や気功などでテロメアが長くなるという実験をブラックバーンがしたかどうかは分かりません。テロメアの研究をしている人は多いので、他の学者が書いた論文を読んだだけかもしれません。ブラックバーン自身が、ストレスでテロメアが短くなるということが証明できる調査をしたことについては、詳細に書かれています。」

「ストレスでテロメアが短くなるのであれば、瞑想や気功などでテロメアが短くなるのを防ぐことができるかもしれませんね。ところで、テロメアの長さは、普通、どのくらいなのですか」と町会長。

2019/10/10