「陰の本を持っていると足の小指の外側から出て、足の裏側を上がり、背中を上がって、首を通り、頭の中心線の両脇を通って、目に達する膀胱系と、手の親指の外側から出て、腕を通り、腕の付け根から少し下がったところで終わる肺経が虚して、膀胱系と肺経が支配する皮膚や筋肉、内臓、骨などの組織の可動性が低下します。この二つの経絡を流れる気が弱くなると、脳を含む全身の臓器の可動性が低下して、機能低下します。」

「陰の本を持っていると、脳や全身の臓器が機能低下する理由を説明していただいたようなのですが、『虚して』とか『経絡を流れる気が弱くなる』と言うことが理解できないのですが」と町会長は鋭い質問をして来た。

「『経絡が虚す』と『経絡を流れる気が弱くなる』は同じ意味です、では、説明になっていませんよね。」

「元気とか生気、殺気のような表現は聞いたことがあるのですが、『流れる気』とか『気が流れる』とかいう表現は聞いたことがありません」と町会長。

「確かに、今回説明に使ってしまった『気』は、『元気』とか『生気』、『殺気』の『気』に近い概念です。一番分かりやすい例は、胃や腸の蠕動運動でしょう。胃や腸がモワモワ動いているのを、東洋医学では、『気が流れている』と言います。蠕動運動と同じように、皮膚や筋肉や骨も、かすかですが、モワモワ動いています。鋭敏な人は触ると分かりますが、分からない人の方が多いかもしれません。このモワモワした動きが弱くなることを『気が虚す』と言い、モワモワ動いていないことを『気が止まっている』と言います。」

「それでは、『元気』と言うのは、東洋医学的に言えば、『気の流れが良い』ということになるのでしょうか」と町会長。

「おっしゃる通りです。『殺気』と言うのを感じたことはないのですが、触らないで分かるという点では、遠隔治療に似たところがあります。僕の場合は、修行が足りないので、遠隔治療をする場合は、電話をして、気を同期させます。同期出来たら電話を切っても治療ができます。」

「遠隔治療は、気を同期させてするのですか」と町会長。

2019/10/4