「強力なLEDのライトは裏庭から北に向いているのが4つ、家の東から北に向いているのが1つ、家の東の茶ノ木を照らしているのが1つ、表の庭の西端から北に向かって照らしているのが1つ、表の庭の西端から北東に向かって外庭の石灯籠を照らしているのが1つ、家の東側から南に向かって中庭のハイゴケを照らしているのが1つです。

この時は、南に向かって中庭のハイゴケを照らしているライトにイノシシが背を向けて、荒らしたので、中門の東側からハイゴケを照らすようにLEDライトを設置しようかと思いました。」

「なるほど。それなら中門のライトは北を向いているので、南に向いているライトに背を向けても、中門のライトは見ることになりますね」と町会長。

「おっしゃる通りです。目をつぶっている場合を考えて、忌避剤入りの茶のみ茶わんをハイゴケのところにおいておくことも考えました。」

「なるほど。目をつぶっている場合は、忌避剤入りの茶のみ茶わんが強力な武器になるわけですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、目をつぶっていると考えると解けない問題が一つ出てきます。」

「目をつぶっているとすると、猪の行動に説明できないことがあるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。裏庭の砂利のところには、忌避剤入りの湯のみ茶碗が2メートルおきに設置してあり、家の側からLEDライトが北向きに照らしています。ここを突破するために目をつぶれば、においを嗅いで進まなければなりません。」

「なるほど。LEDライトと忌避剤が設置してあれば、猪が夜間に侵入することはできないはずなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ここで行き詰ってしまったのですが、もしイノシシが後ろ向きに歩くことができるのであれば、鼻で息をしないようにして後ろ向きで歩き、忌避剤入りの湯のみ茶わんの防衛線を突破できます。」

「猪は後ろ向きに歩けるのですか」と町会長。

「ウェブで調べたのですが、イノシシが後ろ向きで歩いたという記事は見つけることができませんでした。」

「まあ、そうでしょうね。前向きに歩いている猪だって、動物園以外で見るのは難しいでしょうから。」

「イノシシが後ろ向きに歩くという記事は見つけられなかったのですが、マックスという6歳の犬が今年になって、突然、ドアや戸口を通る時は必ず後ろ向きで歩くようになったという記事を見つけました。」

「6歳の犬が、突然、後ろ向きで歩くようになったのであれば、猪が突然後ろ向きで歩いても不思議はありませんね」と町会長。

「おっしゃる通りです。マックスの場合、母犬が死んだら突然後ろ向きに歩くようになったようですが、他にも『後ろ向きに歩ける特技を持つワンコ』という記事がありました。『バック!』と飼い主が言うとバックするようです。」

「なるほど。それでは、イノシシは目をつぶったのではなく、口で息をしながら後ろ向きで忌避剤入りの湯のみ茶わんの防衛線を突破した可能性が高いのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。うり坊が発見したのは、『後ろからライトが当たっても何でもない』と言うことですから、目をつぶってというより、ライトに後ろ向きになって防衛線を突破したと考える方が自然です。」

「それでは、中門のところにLEDライトを設置すれば、ハイゴケは荒らされないということになりますが、ライトがありませんね」と町会長。

2019/12/17