「アメリカでは、牛を牛舎で飼うのではなく、広大な牧場に放し飼いにしています。牧場に行くにも車で行くことになりますが、車は通れるけど、牛は通れないというのがテキサスゲートです。」

「車に反応する自動開閉装置が付いているのですか」と町会長。

「テキサスゲートは牧場の入り口にあたる所に牛が通れないように道路と直角に2メートルぐらいの幅の深い溝を掘り、溝の上に蓋として道路と直角方向に鉄パイプを設置し、車が通れるようにしたものです。鉄パイプと鉄パイプの間を牛の蹄の長さぐらいにしておくと、牛は通ろうとしません。」

「なるほど。テキサスで発明されたのでテキサスゲートと言うのですね」と町会長。

「僕もそう思っていたのですが、調べてみると、石造りのものは古代ローマよりも前からあるようです。ウィキペディアでは"Cattle grid"というタイトルになっていますが、"Texas gate"でググっても出てきます。」

「なるほど。ヨーロッパ人は、古代より定住して牧畜を営んでいたため、テキサスゲートのようなものを発明したのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ですから、呼び名は違いますが、イギリスにも、オーストラリアやニュージーランドにも同じものがあるようです。」

「日本にはないのですか」と町会長。

「日本最西端の島、与那国島のテキサスゲートが有名ですね。また、山口県農林総合技術センターが鹿に特化したテキサスゲートを開発したり、富山県の砺波市では、イノシシ対策として、ハチの巣状のテキサスグレーチングを開発しています。ウェブを見ると専門業者もいるようです。」

「テキサスグレーチングというのは、どういうものなのでしょうか」と町会長。

「基本的なアイデアはテキサスゲートと同じです。グレーチングは格子という意味で、掘った溝の上に金属製の格子状の蓋をかぶせます。テキサスグレーチングだと、慣れると牛がわたってしまうことが知られているので、イノシシの蹄に合わせて、ハチの巣状の格子を開発したのでしょう。」

「なるほど。しかし、渡辺さんの場合、溝はないですよね」と町会長。

「その話に入る前に、裏庭の砂利に向かって逆方向にLEDライトを設置した結果についてお話ししておきたいと思うのですが。」

「茶ノ木の向こう側は荒らし放題になったのではないのですか。もしかして、ハイゴケもやられてしまったのでしょうか」と町会長。