「英語の文法書が書かれるようになったのは、いつ頃なのですか」と町会長。

「英語版のウィキペディアの『英文法の歴史』によると、16世紀の後半だそうです。」

「16世紀と言うと、日本では織田信長が活躍していた時代ですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアの『16世紀』には、『ヨーロッパではルネサンスと宗教改革の嵐により中世的な世界観にかわり、近世的な新しい世界観が生まれた。また、これまで天動説の体系が長らく信じられてきたが、ニコラウス・コペルニクスにより地動説が発表された』という記述があります。」

「なるほど。中世的な世界観にかわり、近世的な新しい世界観が生まれたときに、英語の文法書が書かれたのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。英語版のウィキペディアの『英文法の歴史』によると、William Bullokarという人が英語で英語の文法書を書いたのだそうですが、当時、学校で教えていたラテン語の文法の規則を英語に適用したものだったそうです。」

「それでは、実際の英語の用法とは、かけ離れたものだったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。英語版のウィキペディアの『英文法の歴史』によると、言語の歴史的な変化や比較言語的な研究がされるようになったのは、19世紀に入ってからだそうです。」

「それでは、現代的な英語の文法書が書かれるようになってから200年くらいしか経っていないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、日本人が150年もかけて研究を積み重ねて来た、英語を書くための精密な英文法の研究は、世界的にも貴重な研究だったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「研究社の辞書には、日本人が150年もかけた研究が満載されているということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「川上さんは、なぜ、ロングマンの辞書が、研究社の辞書を参考に作られたことを知っていたのでしょうね」と町会長。

「ロングマンの辞書の編集にかかわった人の論文を読んだら、書いてあったのではないかと推定しています。」

「そんなことを知っている人はいませんから、よほど専門的な論文だったということになりますね」と町会長。

「ロングマンの『A Comprehensive Grammar of the English Language』のレベルの英語で書いてある論文だと思います。」

「『A Comprehensive Grammar of the English Language』というのは、難しい英語で書いてあるのですか」と町会長。

「そうなんですよ。僕は、当時、『The Asian Wall Street Journal』という新聞をとっていて、その記事から上級レベルのグループレッスンのための教材を毎週作って、Alan Barkerという経済学を専攻したイギリス人の天才に教えさせていたのです。」

「なるほど。」

「川上さんは、個人レッスンを受けていただけでなく、上級レベルのグループレッスンも受けていたのですが、あるとき、Barkerさんが、答えが分からないことがあるので、解答も書いて欲しいと言ったのです。」

2020/11/2