「それでは、日本の円で外貨準備を持っていたり、中国の元で外貨準備を持っている国もあるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。公益法人国際通貨研究所の『国際通貨としてのユーロ』の外貨準備通貨別内訳(2019年6月現在)の円グラフによると、米国のドルが58%、次がユーロの19%、3位が円の5%です。」

「なるほど。中国の元はどのくらいですかと」と町会長。

「2%です。」

「それでは、中国が元を基軸通貨にしようとしても、不可能ですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。2020年4月6日のロイターの『コラム:基軸通貨に高い壁、デジタル人民元の現実=門間一夫氏』に『中国がデジタル人民元の発行を計画していることに対し、これを通貨主権や安全保障上の脅威とする見方がある・・・だが、10年後までを考えても、人民元が米ドルの地位を脅かすような存在になる可能性は、ほぼゼロだろう。国際通貨基金(IMF)によれば、世界の外貨準備に占める人民元のウエートは2%に過ぎない(2019年9月末)。米ドルは61.8%、ユーロは20.1%、円は5.6%である』という記載があります。」

「なぜ、『人民元が米ドルの地位を脅かすような存在になる可能性は、ほぼゼロ』なのですか」と町会長。

「『コラム:基軸通貨に高い壁、デジタル人民元の現実=門間一夫氏』には、『どんな強権国家であろうとも、自国通貨の幅広い国際取引を強要することはできない。一国の通貨が国際的に広く使われる通貨になるかどうかは、その国の意図や野心によってではなく、国際金融市場における選択によって決まる』という記載があります。」

「人民元が基軸通貨として使われるかどうかは、国際金融市場における選択によって決まるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。門間氏は、その選択において重要な3つの条件を上げています。」

「重要な3つの条件と言いますと?」

「『第1に、その通貨の発行国が、世界経済において重要な存在であることである。第2に、国際通貨としての信頼性を備えていることである。具体的には、透明性の高い法治主義的な政府、整備された金融市場、自由な資本移動や為替変動などが求められる。第3に、ネットワーク外部性である。国内通貨であれ国際通貨であれ、ある通貨が使われる最も根源的な理由は、「既にそれが広く使われているから」なのである』と記載されています。」

「中国は世界経済において重要な存在になっていますね」と町会長。

「おっしゃる通りです。『コラム:基軸通貨に高い壁、デジタル人民元の現実=門間一夫氏』にも、『第1の経済規模の点では、人民元は全く問題ない。中国の経済規模が日本を抜いて世界第2位になったのは、もう10年も前のことだ。中国の国内総生産(GDP)は今や世界の16%を占めるまでになっており、現在24%で第1位の米国を2030年までには抜くとの予測もある』と記載されています。」

「中国の経済規模が世界第2位であるにもかかわらず、元が、外貨準備として、2%しか使われたいないのは、国際通貨としての信頼性に問題があるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。『コラム:基軸通貨に高い壁、デジタル人民元の現実=門間一夫氏』には、『しかし、第2の信頼性の条件を満たすには、人民元はほど遠い状態にある・・・2015年に為替変動の柔軟化に踏み切ったところ、人民元の下落と資本の流出が止まらなくなり、クロスボーダーの資本取引を大幅に規制せざるをえなくなった・・・人民元は2016年に特別引出権(SDR)の通貨バスケット入りを果たすなど、国際通貨に徐々に近づいているかの印象を与えるが、実態としては現在も、資本取引に厳しい制約が課されている』と記載されています。」

「『クロスボーダーの』というのは、『国境を超えた』という意味でしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。日本的な感覚では、『海外との』ということになります。」

「日本には国境を接する国がないからですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2020/12/9