「ところで、中国がドル建て決済をすることができなくなると、どのような状態になるのですか」と町会長。

「国際通貨基金(IMF)の『2019 External Sector Report』によると、中国の輸入に占めるドル建て決済の比率は92.8%です。」


「それでは、ドル建て決済ができなくなると、人民元で決済しなければならなくなるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。中国は10年以上も前から、人民元による決済を増やそうとしているのですが、輸入に占めるドル建て決済の比率は92.8%というありさまです。」

「なぜ、人民元による決済が増えないのですか」と町会長。

「人民元をたくさん持っていても使い道がないからです。」

「なぜ、使い道がないのですか」と町会長。

「中国は、金融・資本市場の規制が多いためです。」

「なるほど。ドルで持っていれば、様々な投資ができるのに、人民元を持っていても使い道がないということになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。それだけではなく、軍事力と経済力に自信を深めた中国が、国際的な規範に反するようなことを平気でするので、人民元をたくさん持っていること自体が大きなリスクだと考える人が多いのではないでしょうか。」

「なるほど。人民元をたくさん持っていると、中国から予期しないような圧力がかかるかも知れないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ですから、例えば、同じ共産主義のロシアと貿易をする場合でも、人民元建てとかルーブル建てで決済するのではなく、ドル建てで決済しています。」

「なるほど。それでは、中国がドル建て決済ができなくなると、貿易が縮小し、経済的な打撃を受けることになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。貿易額が縮小するだけでなく、中国の多国籍企業の売り上げが激減する可能性があります。」

「米国は、どのようにして中国がドルで決済するのを止めるのですか」と町会長。

「日本国内の決済の場合は、日本銀行が、銀行券の発行や日本銀行当座預金など、決済がスムーズにいくようなシステムを提供していますが、外国との取引の場合には、世界の決済がスムーズにいくように管理する機関はありません。」

「『決済』って、難しそうですね」と町会長。

「そうなんですよ。簡単に言えば、売買をしたときの物やお金の最終的な引き渡しのことなのですが、経済が発達し、クレジットカードのような個人レベルの信用を元にした売買まであるため、極めて複雑になってしまっています。」

「クレジットカードの決済は、購入者が商品を手にして、クレジットカードを端末機に入れて、暗証番号を入力しただけでは終わらないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。購入者の預金から商品の代金が引き落とされるまでは、決済が終りません。販売店がカード会社と直接契約することは少なくて、間に決済代行会社が入るので、複雑な手続きがされます。」

「決済が極めて複雑になってしまっているのに、米国は中国のドル建ての決済を停止させることができるのですか」と町会長。

2020/9/15