「ウィキペディアの『感度』に、『医学における感度とは、臨床検査の性格を決める指標の1つで、ある検査について「陽性と判定されるべきものを正しく陽性と判定する確率」として定義される値である。感度が高い(高感度である)、とは、「陽性と判定されるべきものを正しく陽性と判定する可能性が高い」、あるいは「陽性と判定されるべきものを間違って陰性と判定する可能性が低い」という意味である』という説明があります。」

「それでは、擬陽性が多い韓国製『コロナ診断キット』は、感度が低いということになるのですか」と町会長。

「『感度』というのは、統計学的な概念で、コロナの検査をしたら、陽性の人の何パーセントが実際に陽性と判定されるかという割合を示します。」

「診断キットによっては、コロナに感染していても、陽性にならない人もいるということですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。その場合は擬陰性になりますが、擬陽性という場合は、コロナに感染していないのに陽性と判断される人のことなので、どちらかというと、感度ではなく、特異度という概念に関係しています。」

「『特異度』と言いますと?」と町会長。

「ウィキペディアの『感度』に、『感度と対となる表現に特異度があり、特異度は感度と関連性をもっている。以下に具体的な例で説明する。

ある病気Aで血清中の値が上昇する酵素を考えるとする。この検査では正常人では平均100程度の数字であるが、病気Aを持っている者では平均1000程度の数字まで大幅に上昇する、と、統計的に分かっているとしよう。この場合、カットオフ値、つまり正常と異常の境目をどこにするのが妥当であろうか。

たとえば、150以上は異常、150未満では正常、として、この検査を運用するとする。すると、本当は病気Aではないのに「異常」と判定される被験者の数は必然的に増加する(偽陽性が増加する)。このような検査は、病気Aを持っている人を見逃す可能性は低いが、病気Aを持っていない人を正しく判定できる可能性は低い。つまり、高感度、低特異度の検査となる。

全く同じ検査でも、800以上は異常、800未満では正常、として、この検査を運用すると、今度は病気Aであるのに「正常」と判定される被験者の数が増える(偽陰性が増加する)。このような検査は、病気Aを持っていない人を不必要に心配させる可能性は低いが、病気Aを持っている人を正しく判定できない、低感度、高特異度の検査である』という説明があります。」

「ウィキペディアには、偽陽性が増加すると高感度だと書いてありますね」と町会長。

「この説明で使われている『高感度』は、医学的な意味ではなく、日常会話的な意味で使っているので、紛らわしいですね。」

「と言いますと?」と町会長。

「例えば、コロナに感染した人が100人いて、その100人が検査を受けたとき、80人が陽性であれば、その検査の感度は、0.8あるいは80パーセントです。残りの20人は、感染しているのに陰性と判断されているので、偽陰性になります。」

「検査の『感度』に直接関係しているのは、擬陽性ではなく、偽陰性の人だということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。偽陰性の人の割合が少なければ、高感度ということになります。」

「なるほど。」

「ウィキペディアの『特異度』に、『特異度とは、臨床検査の性格を決める指標の1つで、ある検査について「陰性のものを正しく陰性と判定する確率」として定義される値である』という説明があります。」

「なるほど。『擬陽性』と言うのは、陰性の人が陽性と判断されたということだから、『陰性のものを正しく陰性と判定する確率』として定義される特異度に関係しているということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。『擬陽性』が多ければ、陰性の人が陽性と判定されることが多くなるので、特異度は低くなります。」

「感度と特異度は理解するのが難しいですね。小脳の機能低下がひどいということなのでしょうか」と町会長。

「世の中に陰の物があふれているので、そういう可能性は高いと思いますが、統計学上の考え方なので違和感があるのかもしれません。僕は小脳の機能が加齢とともに低下していたので、初めて感度と特異度について読んだときは、理解できたようなきがしたのですが、実際には理解でできていない状態でした。最近、小脳が少し緩んできたので、統計学の感度と特異度の練習問題を解いたら、やっと理解できました。理解できたかどうか知るには、練習問題を解くのが一番です。」

2021/1/1