「日本人の生物学的進化や医療文化が、SARSやMERSに対して極めて高い淘汰圧になったため、感染が広がらなかったと推定しています。」

「なるほど。それでは、新型コロナウイルスは、なぜ、感染が広がってしまったのでしょうか」と町会長。

「今まで解明された事実によると、SARSやMERSは中間宿主で変異を起こし、人間に感染するようになっています。」

「SARSやMERSを引き起こしたウィルスは、元々コウモリを宿主とするコロナウイルスですよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアの『MERSコロナウイルス』に、『自然宿主が動物であり(人獣共通感染症)、本ウイルスは遺伝子解析からヒトコブラクダであることはほぼ間違いない。発見当初の遺伝子解析では、コウモリコロナウイルスHKU4およびHKU5と相同性が高く、ウイルスRNAポリメラーゼ領域におけるアミノ酸配列の相同性は90~92%だった。一方、スパイク(S)蛋白質の相同性は64~67%にとどまり、コウモリからヒトが感染しているという直接の証拠もなかった。その後、宿主がヒトコブラクダであることが判明した』という記載があります。」

「『宿主』と『自然宿主』は意味が違うのですか」と町会長。

「gooの国語辞書によると、『宿主』には、『寄生生物に寄生される側の動物や植物』という説明があり、『自然宿主』には、『自然界で寄生体と共生している宿主。[補説]細菌やウイルスなどの寄生体は、通常、自然宿主に対しては無害だが、他の生物に侵入すると疾病の原因となることがある』という説明があります。」

「それでは、『宿主』と『自然宿主』は、ほぼ同じ意味だが、宿主に対して無害だということを強調するとき、『自然宿主』という言葉を使うということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、何千年とか何万年というような長期に渡っての種としての共生関係ではなくてもいいのですか」と町会長。

「ウィキペディアの『自然宿主』の使い方から判断すると、例えば、数年前から共生関係が見られるようになっても、『自然宿主』と判断するようです。」

「gooの国語辞書の説明を見ても、期間に関する言及はありませんね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「『相同性』と言いますと?」と町会長。

「ウィキペディアの『相同』に、『相同性あるいはホモロジー とは、ある形態や遺伝子が共通の祖先に由来することである。外見や機能は似ているが共通の祖先に由来しない相似の対義語である 』という説明があります。」

「それでは、『相同性が高い』というのは、『共通の祖先に由来する可能性が高い』ということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「『コウモリコロナウイルスHKU4』と言いますと?」と町会長。

「国立感染症研究所の『MERSコロナウイルスの宿主としてのラクダについて』に、『中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)は発生当初、遺伝子解析により重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)と近縁のβコロナウイルス2cグループに属し、既知のコウモリコロナウイルスであるHKU4およびHKU5と相同性が高いことがわかっていた。しかし、ウイルスRNAポリメラーゼ領域におけるアミノ酸配列の相同性は90~92%である一方、ウイルスの細胞侵入や中和に関係しているスパイク(S)蛋白質では64~67%であったため、SARS-CoVと同様に数種のコウモリコロナウイルス間での遺伝子組み換えの結果誕生した可能性が示唆されていた。しかし、コウモリからヒトが感染しているという直接の証拠もなく、しばらくウイルスの感染源が何であるかは不明のままであった』という記載があります。」

「コウモリコロナウイルスHKU4とHKU5は、SARS-CoVと近縁のβコロナウイルス2cグループに属するコロナウイルスということですか」と町会長。

2021/1/7