「ウィキペディアの『ウイルスの分類』を見ると、コウモリコロナウイルスHKU4とHKU5、SARS-CoVは、βコロナウイルスですが、βコロナウイルスには『2cグループ』というのはありません。」

「それは不思議ですね。『MERSコロナウイルスの宿主としてのラクダについて』の論文は、権威のある国立感染症研究所のサイトに表示してあるのでしたね」と町会長。

「そうなんですけど、ウェブで検索しても『2cグループ』というのは見つかりませんでした。」

「それでは、コウモリコロナウイルスHKU4とHKU5は、ウィキペディアの『ウイルスの分類』では、どのように分類されているのですか」と町会長。

「コロナウイルス科のベータコロナウイルス属に属する『タケコウモリコロナウイルスHKU4』と『アブラコウモリコロナウイルスHKU5』として、独立した種類になっています。」

「そうなんですか。『MERSコロナウイルスの宿主としてのラクダについて』が公開されたのは、いつ頃ですか」と町会長。

「2015年12月22日です。」

「それでは、その間に分類法が変わってしまったということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ウィキペディアの『ウイルスの分類』には、『ウイルスの分類は、生物の分類と同様に常に議論が続けられていくものである。これまでに宿主や症状、伝染方法、ウイルス粒子の形状などを基準に分類されてきたが、今日ではウイルスに含まれる核酸の型と、その発現形式に重点を置く分類が広く用いられるようになっている。これはウイルスによる逆転写を発見した功績でノーベル生理学・医学賞を受賞したデビッド・ボルティモアによって提案され、現在では国際ウイルス分類委員会の定める分類体系の基本骨格となっている』という説明があります。」

「なるほど。」

「ウイルスの分子生物学的な解析法が進歩したのと、SARSコロナウイルスやMERSコロナウイルスの感染が世界的に広がり、コロナウイルスの研究者の数が増えて、新しいコロナウイルスの発見が続いたことが、分類法の変化に影響を与えているようです。」

「要するに、MERSコロナウイルス、SARSコロナウイルス、コウモリコロナウイルスであるHKU4およびHKU5は、全てβコロナウイルスということなのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「『ウイルスRNAポリメラーゼ領域』と言いますと?」と町会長。

「ウィキペディアの『RNAポリメラーゼ』に、『RNAポリメラーゼ とは、リボヌクレオチドを重合させてRNAを合成する酵素(RNA合成酵素)』という記載があります。」

「RNAポリメラーゼというのは、RNAを合成する酵素なのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。『ウイルスRNAポリメラーゼ』というのは、ウイルスのRNAポリメラーゼという意味で、人間の細胞が増殖するときに必要なRNAポリメラーゼなどと区別するために『ウイルスRNAポリメラーゼ』という言葉を使っているのだと思います。」

「『ウイルスRNAポリメラーゼ』に『領域』が付いていますね」と町会長。

2021/1/8