「ウィキペディアの『覇権』には、さらに、『覇権安定論とは経済学者のチャールズ・キンドルバーガーによって発表され、ロバート・ギルピンによって確立された理論である。一国の覇権で世界が安定し、かつ経済的に発展するには以下の条件を要する。

1.一国が圧倒的な政治力及び経済力、すなわち覇権を有していること。
2.覇権国が自由市場を理解し、それを実現するために国際体制を構築しようとすること。
3.覇権国によって国際体制の中で利益を享受すること。

ある単一の国が圧倒的な覇権を掌握しておくことで国際社会は安定するというものではない。覇権国が諸国に利益を提供することができる国際体制を構築・維持する点が重要である。この体制が諸国にとって有益なものである限り、非覇権国は自ら国際体制を築くことなく円滑な経済活動を行うことができる』という記載があります。」

「チャールズ・キンドルバーガーの『覇権安定論』は、アメリカ人の一般的な考え方なのですか」と町会長。

「ウィキペディアの『チャールズ・キンドルバーガー』には、『アメリカ陸軍に少佐として従軍したのち、連邦準備銀行(FRB)のエコノミストになる。第2次世界大戦後にはマーシャル・プランの立案に関わり、1948年にマサチューセッツ工科大学の教授に就任した。その研究は理論の証明ではなく、史実の検証によって結論を導き出すという姿勢で進められた・・・キンドルバーガーのデータ収集が活かされた著作「金融恐慌は再来するか」は、バブル経済と金融危機に関する経済書として現在でも影響力を持っている』と書かれています。」

「『1948年にマサチューセッツ工科大学の教授に就任した』ということは、既に亡くなっているということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。2003年7月7日に92歳で亡くなっています。」

「『キンドルバーガーのデータ収集が活かされた著作「金融恐慌は再来するか」は、バブル経済と金融危機に関する経済書として現在でも影響力を持っている』ということは、米国の経済学者に影響を受けている人がいるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。日本の経済政策に強い影響を与えて来た、ノーベル賞学者のクルーグマンもMITでキンドルバーガーの講義を受けているので、キンドルバーガーの影響を受けている日本人の経済学者は多いと推定しています。」

「それでは、日本の経済学者で『覇権安定論』を信じている人も多いということですか」と町会長。

「日本の経済学者と米国の経済学者では、『米国の覇権』に対する考え方に違いがあると思います。」

「『違いがある』と言いますと?」と町会長。

「日本の経済学者は、『覇権安定論』が現在の国際社会をうまく説明していると考えていると推定していますが、米国の経済学者は、『米国の覇権』は神から与えられたものであり、最終戦争をしてでも守り抜かなければならないものだと考えていると推定しています。」

「アメリカの経済学者は、キリスト教徒なのですね」と町会長。

「調べたことはありませんが、ユダヤ教徒の方が多いと思います。」

「ユダヤ教徒も、米国の覇権が脅かされるようになれば、最終戦争ということになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2020/12/16