「門間氏の基軸通貨としての3つ目の条件は、『ネットワーク外部性である。国内通貨であれ国際通貨であれ、ある通貨が使われる最も根源的な理由は、「既にそれが広く使われているから」なのである』ということでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「『ネットワーク外部性』というのは、『既にそれが広く使われている』という意味なのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。『コラム:基軸通貨に高い壁、デジタル人民元の現実=門間一夫氏』には、『さらに、中国が構造改革に成功し、資本取引や為替変動の完全自由化が果たされたとしても、最後の壁として立ちはだかるのが、米ドルの有するネットワーク外部性である。流動性や開放性の高い金融市場など、一度確立された米ドル中心の国際決済インフラは、その優位性が簡単に揺らぐものではない』という記載があります。」

「それでは、中国のGDPが米国のGDPを越えたとしても、基軸通貨が人民元に変わったりはしないということですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。基軸通貨がイギリスのポンドから米国のドルに変わるという歴史的な事実があるのですが、日本経済研究センターの『第1次世界大戦後の100年間:世界経済はどのように成長してきたか』の『第2図主要国のGDP水準の推移』を見ると、米国のGDPは、イギリスのGDPを、第1次世界大戦前の1870年代後半に追い抜いています。しかし、基軸通貨がポンドからドルに変わったのは、1945年にブレトン・ウッズ協定が発効されたときです。」

「『ブレトン・ウッズ協定』と言いますと?」と町会長。

「ウィキペディアの『ブレトン・ウッズ協定』に、『ブレトン・ウッズ協定とは、第二次世界大戦後半の1944年7月、アメリカ合衆国のニューハンプシャー州ブレトン・ウッズで開かれた連合国通貨金融会議(45ヵ国参加)で締結され、1945年に発効した国際金融機構についての協定である国際通貨基金協定と国際復興開発銀行協定の総称。「アメリカ合衆国ドルを基軸とした固定為替相場制」であり、1オンス35USドルと金兌換によってアメリカのドルと各国の通貨の交換比率(為替相場)を一定に保つことによって自由貿易を発展させ、世界経済を安定させる仕組みであった。この体制は1971年のニクソンショックまで続き、戦後の西側諸国の経済の復興を支えた。この協定に基づいて確立した体制のことをブレトン・ウッズ体制という』という説明があります。」

「米国のGDPがイギリスのGDPを1870年代後半に追い抜いてから、基軸通貨がポンドからドルに代わるのに70年近くかかっているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、米国の香港自治法は、基軸通貨国としての圧倒的な優位性を利用した法律ということになるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。2020年10月15日の日本経済新聞に『香港長官ら「自治侵害」関与 米国務省が認定』という記事があり、『米国務省は14日、香港の自治の侵害などに関わったとして香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官ら10人を特定し、米議会に報告した』という記載があります。」

「林鄭月娥行政長官ら10人と著しい取引がある金融機関に制裁を科す準備に入ったということですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「2020年12月8日の産経新聞に、『米、中国全人代常務委の副委員長ら14人に入国禁止など制裁措置 香港民主派排除受け』という記事が載っています。米国は、渡辺さんが言うように、どこまでもやりそうですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。ここまでやるということは、中国の全ての国有銀行に制裁を科すということを考えているのではないでしょうか。」

「中国の全ての国有銀行に制裁が科されると、どういうことになるのでしょうか」と町会長。

2020/12/14