「実は、環境省の『再生可能エネルギー設備の特性把握』を読むと、火力発電だけでなく、太陽光発電や風力発電、地熱発電などでもCO2が出ると書いてあります。」

「太陽光発電でもCO2が出るのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。バッテリーを作るときに膨大なCO2が出るようです。」

「バッテリーを作るときに膨大なCO2が出るのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「具体的な数字が書いてある、ウェブページが少ないので、なかなか見つからなかったのですが、BUSINESS INSIDERに、EV推進的立場から書かれた『それでもEVを選ぶべき理由…製造時の環境負荷はガソリン車より大きい』という記事に大雑把な数字が書いてあります。」

「EV推進的立場から書かれた記事では、控えめな数字ということですか」と町会長。

「そう考えておいた方が無難だと思います。その記事に、『電気自動車の製造時に排出される温室効果ガスは同等のガソリン車と比べて多いことが、アメリカ、ヨーロッパ、中国を対象にした複数の研究で明らかになった・・・中型の電気自動車では、同サイズのガソリン車と比べて、製造時に排出される温暖化物質が15%多くなることが判明した。より大型の電気自動車では、搭載されるバッテリーがさらに大きくなるため、ガソリン車との排出量の差は68%、もしくはそれ以上になる可能性もある』という記載があります。」

「しかし、『それでもEVを選ぶべき理由』があるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。『電力網の脱炭素化、バッテリーのリサイクル、バッテリーのエネルギー密度の向上という3つの手段を組み合わせることで、バッテリー製造で発生する温暖化物質排出量を最大で49%削減できる』という記載があります。」

「『電力網の脱炭素化』というのは、火力発電はやめて、太陽光発電や風力発電、地熱発電などにするということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。中国のように原子力発電に力を入れている国もあります。」

「中国は原子力発電に力を入れているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。2020年11月27日の日本経済新聞の『中国、「独自開発」の新型原発稼働 福建省』に『中国国有原子力発電大手の中国核工業集団は27日、中国が独自開発したとしている新型原発「華竜1号」が初めて稼働したと発表した。これまで中国は欧米から導入した原発を中心に利用してきたが、今後は独自開発の原発の建設を加速し、海外への輸出にも力を入れる方針だ』という記載があります。」

「なるほど」と町会長。

「実は、ライフサイクルアセスメントを適用した場合の車の違いによる1kmあたりのCO2排出量が、『車のライフサイクルアセスメント』に記載されています。」

「ガソリン車とEVの1kmあたりのCO2排出量が計算されているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。『現行の評価手法では電気自動車(EV)のCO2排出量はゼロで一見理想的ですが、LCAを適用すると、CO2排出量は1km当たり100~120gと算定されます。これに対し、一般的なガソリン車(ICE)の1km当たり平均CO2排出量(一般的なセダンの場合)は現行評価手法で120g程度。仮にLCAを適用すると170~180gに膨らみますが、増加幅はEVの100~120gに比べ、わずか50~60gです』という記載があります。」

「『LCA』は、EUのライフサイクルアセスメントのことでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「ここまで具体的だと分かりやすいですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。実は、EUのライフサイクルアセスメントは、中国対策でもあるのです。」

「『中国対策』と言いますと?」と町会長。

「『車のライフサイクルアセスメント』に、『アジアで製造された電池は米国や欧州で製造された電池よりもCO2負荷が高いのです』という記載があります。」

「なるほど。中国で製造されたEVが、ライフサイクルアセスメントのために、EUで販売できない可能性があるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。データーが見つかりませんでしたが、日本のハイブリッド車は優位な立場にあるのではないでしょうか。」

「なるほど。それで『電動車』という辞書で説明されていない言葉が必要になったのですか」と町会長。

「EUのライフサイクルアセスメントもありますが、中国政府がハイブリッド車を環境対応車に入れたことも影響していると思います。」

2020/12/21