「ブラックバーンは、人工的に作られたテロメラーゼの危険性以外に、『テロメラーゼとテロメアのタンパク質が多くなりやすい人は、概してテロメアが長い。このように遺伝的に自然な形で長いテロメアをもつ人は、心臓病やアルツハイマー病など、加齢にともなう大半の病気にかかるリスクが低い。だが、テロメラーゼ値が高いことは反面、ガン化した細胞が無制限に分裂する可能性があるということだ。脳腫瘍、黒色腫、肺ガンなどは、高いテロメラーゼ値により発症リスクが上がる。テロメラーゼは多い方が良いとはかぎらない』と言っています。また、植物由来の自然なサプリメントであっても危険だと言っていいます。」

「それでは、テロメアが減るのにともなって、老化し、やがては死ぬしかないということですか。」

「おっしゃる通りです。ブラックバーンは、『この本で私たちが提唱した方法は、穏やかで自然な物ばかりであり、テロメラーゼの分泌増加は安全な範囲を超えるものではない』と言っていますが、よく考えれば、『テロメアが減るのにともなって、老化し、死ぬのは仕方がないが、テロメアを減らさないようにして長生きする方法はある』という意味です。」

「それでは不老不死はありえないということになりますが」と町会長。

「人類史上120歳を超えた人は一人しかいないのですから、ノーベル賞を取った科学者としては、当然の結論だと思います。しかし、注意深く読むと、あきらめたわけではありません。次のパラグラフで、『こうした免疫細胞の中には、体のあちこちに設置された監視カメラのような働きをするものもある。免疫細胞が老化すれば、監視カメラのレンズが曇り、異物であるはずのガン細胞を見落とす危険性がある。そして、ふつうならすぐに出動するはずの免疫細胞のチームが、行動を起こしにくくなる。テロメアが弱まった結果、免疫による体の防衛システムは、ガンとの戦いに勝てなくなるのだ』と言っています。」

「免疫細胞が老化してガンとの戦いに勝てなくなるのでは、死ぬしかないのではありませんか」と町会長。

2019/10/15